IBMは米国時間5月30日、同社の全世界における従業員から、特に米国のストラテジックアウトソーシングサービス事業に従事する社員を1566人解雇する予定であると発表した。この人員削減は、5月に入ってから2度目となる。
世界中に35万5000人の従業員を有するIBMは、第2四半期末までに合計3016人を解雇する予定であると述べていた。この数には、5月に入ってから解雇された1300人が含まれる。
IBMは、米国におけるストラテジックアウトソーシング事業の運用費用と売り上げの間で圧迫され、この人員削減を開始した。同社の最高財務責任者(CFO)であるMark Loughridge氏は、同社第1四半期の決算報告に関する電話会議で、人員の「再配置」を行う予定だと述べていた。
IBMの広報担当であるJohn Bukovinsky氏は、同社のサービス事業には、米国に12万8000人の従業員がおり、そのうちの多くがストラテジックアウトソーシングに携わっていると述べた。
Bukovinsky氏は、「ストラテジックアウトソーシングは、かなり流動的である。契約は定期的に再調整される」と述べた。
同社のストラテジックアウトソーシング事業は、顧客のヘルプデスクやデータ管理センタを引き継いだり、顧客に代わって運営したりする仕事を担当している。大規模な契約は、通常7〜10年の期間にわたり、多大な費用がかかる。このような大規模な契約においては、IBMはしばしば、以前その企業のソフトウェアやシステムなどの製品に携わった従業員を雇用するということをしていた。
しかしBukovinsky氏によると、ここ5年間で、顧客らは特定のプロジェクトに対する2〜3年の短期の契約を結ぶ傾向へと移行してきたという。
同氏は、「さまざまな業務を外部委託するようになったため、契約の規模が小さくなり、期間が短くなってきている」と述べ、このような短期の契約では通常、顧客らの資産や従業員を引き継ぐ必要がないと付け加えた。「われわれには前もって必要なコストが減少し、(利益)マージンは高くなることが多い」(Bukovinsky氏)
その結果顧客らは、さらに外部委託が必要になった場合に簡単に競合他社に変更することが可能となる。一方顧客の資産や従業員の利用が必要となる長期の契約では、他社への変更は難しい。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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