どうやら、この世界は2つの低価格PCプロジェクトが並存できるほど広くはないようだ。
One Laptop Per Child(OLPC)プロジェクトの創設者兼リーダーであるNicholas Negroponte氏は米国時間5月20日遅く、CBSの長寿番組「60 Minutes」に出演し、Intelの「恥知らずな」ビジネス手法がなければ、価格が100ドルのノートPC(現時点の価格は175ドル)を300万台受注できると語った。
「Intelは、(OLPCプロジェクトに)甚大な損害を与えている」とNegroponte氏は語った。一体、Intelはどのように同プロジェクトに損害を与えているのか。どうやら同社は、OLPCの100ドルPC「One Laptop(実際にはXOと呼ばれている)」の機能を疑問視する宣伝資料を配布したり、同社が設計したClassmate PCと呼ばれるノートPCを世界の貧困国に無料で配布しているようだ。
Intel会長のCraig Barrett氏は、同社の行為について一切謝罪しなかった。Barrett氏は、Intelの最高経営責任者(CEO)の職務をPaul Otellini氏に譲って以来、世界中を旅行し、世界の貧困国にPCを提供する理由を説くことに大半の時間を費やしてきた。Barrett氏は60 Minutesに出演中、「われわれが協力できる機会は沢山ある」とした上で、「よって、これが競争だと言うなら、われわれは彼を失業させようとしていることになる。そんなの馬鹿げている」と付け加えた。
Negroponte氏は、One LaptopにはAdvanced Micro Devices(AMD)製のチップが使われており、Intelは次世代のPC顧客の囲い込みを図りたいと考えていることが真の問題だと考えている。たしかにその考えにも一理あるかもしれないが、世界の他の国々に低価格PCを提供する方法が1つでないことも確かだ。
実際、AMDも独自に低価格PC「Personal Internet Communicator」(PIC)を開発しようとしたが、計画は中止となった。しかし、人々の間で話題になった。またProject Inkwellと呼ばれる別の団体も、世界中の教室をネットで結ぶ方法を模索している。さらに、それらの貧しい新興国の国民がどの種類の技術を使うべきかを外国人に(その動機の如何を問わず)決定させるのではなく、それらの国の企業や団体が自ら国民向けの低価格PCの設計方法を見出す可能性もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス