カリフォルニア州サンタクララ発--マサチューセッツ州に拠点を置く非営利団体One Laptop per Child(OLPC:すべての子どもにラップトップを)は米国時間11月16日、発展途上国の子どもたち向けの100ドルノートPCの最新の試作機を発表した。今回の試作機の唯一の難点は、1台当たり150ドルの製造コストがかかる点だ。
OLPCのソフトウェア担当プレジデントのWalter Bender氏は、製造コストが上昇した理由について、ノートPCのディスプレイとバッテリ(ニッケル水素バッテリ)に予想以上のコストがかかったためと説明した。
Bender氏はサンタクララ大学で開催されたSilicon Valley Challenge Summitで、「2008年までに(製造コストを)100ドルまで引き下げるのが目標」と語った。
このプロジェクトの発案者は、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディア研究所の共同創設者で、OLPCの会長を務めるNicholas Negroponte氏だ。Negroponte氏は、2005年1月に開催されたWord Economic Forumで、初期計画を概説した。Negroponte氏が思い描いたのは、各国政府が購入可能な低価格のノートPCを開発し、それらを(発展途上国の)子どもたちに無償で再分配し、子どもたちの教育機会の向上を図るという計画だ。
それから約2年が経過し、OLPCは、台湾のノートPCメーカー廣達電脳(クオンタ)が中国上海にある同社の工場で開発した実用レベルの試作機を受け取った。そしてOLPCは15日、発展途上国における事業の可能性や社会変化について議論するために召集されたハイテク企業の幹部らに同試作機を披露した。
Bender氏によると、OLPCは「B1」と呼ばれる今回の試作機のデバッグを行った上で、次の試作機「B2」を開発する予定だという。そして、2007年第2四半期末までに、同ノートPCをリビア、ナイジェリア、ブラジル、アルゼンチンの子どもたちにいつでも届けられる段階まで整える計画だ。
Bender氏によると、リビアの子どもたちと教師に向けて120万台、その他の国々に向けておよそ400万台以上のノートPCを出荷していく予定だという。
B1試作機は、本体の色がライムグリーンとホワイトで、学校の教科書ほどの大きさだ。同試作機は、キーボードにはラバー加工が施されているなど、安全かつ防塵作用のある材料で作られている。また同機は、内蔵型ビデオカメラ、VoIP、回転して電子ブックとして使用できる液晶ディスプレイなどの機能を備えている。また搭載されているデュアルモードディスプレイは、フルカラーモードと太陽の下で読み取り可能な白黒モードのどちらでも利用可能だ。
また同機では、MITの研究者や世界中のオープンソースプログラマーたちが開発した各種アプリケーションに加え、Linux OSの使用が可能だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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