野外アートフェス「バーニングマン」--今夏のテーマは「地球に優しい」 - (page 3)

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、瀧野恒子 2007年05月17日 16時00分

 「エネルギー危機解決のカギは、まず省エネ、次に技術革新だ」(Price氏)。「だからガーラックでまず住民の省エネを支援し、将来はグリーン電力のシステムを構築する」

 バーニングマンとグリーンエネルギープロジェクトのパートナー各社は、消費する以上のエネルギーを生産する町にガーラックを最終的に変えたいと望んでいる。これは、世界初でなければ全米初となるだろう。

 Price氏は、Mason氏のMechabolicにも大きな期待を寄せている。制作者のウェブサイトの説明によれば、これは「炭化水素ベースの燃料を生産、変換、消費する生物の身体の仕組みをまねた大規模なインスタレーション」である。

 バーニングマンの参加者は、「砂漠をずるずると這い回る」Mechabolicにゴミを食べさせることができる。

 サイトの説明によれば「取り込まれたゴミはすべてクリーンなバイオマス食料/燃料に変換され」、そして「Mechabolicはその食料/燃料を再び体内に取り込み、移動や空をも焦がす多彩な炎のパフォーマンスを行うエネルギーとして使用する」

 Price氏はDr. Friendlyの名で知られるアーティストによるSingle Cell Solution(PDFファイル)プロジェクトも絶賛した。これは、二酸化炭素を食べて油を分泌する藻類の培養装置に発電機の排気ガスを通し、得られた油からバイオディーゼルを製造してそれを発電機の燃料に使うというプロジェクトである。

 このプロジェクトの一環として、バーニングマンはさまざまなプロジェクトに必要な数百台の発電機の燃料を、従来のディーゼルオイルからバイオディーゼルに切り替えることにしている。最初のバイオディーゼルの原料になるのは、レノ市内のフライドポテトを調理する店から回収される廃食油である。

 そしてPrice氏は、この地球に優しい技術をすべて1つの場所に結集させる力が広範囲に影響を与えることを期待している。

 「この世界の新技術の祭典を、こうした新しい技術にとても関心があり、知識も豊富で、ネットワーク化された、4万人の人々の目の前で創り出すのは、とびきり養分が豊富な堆肥を施した苗床を作るようなものだ。やがてそこから、たくさんの新しいアイデアが芽生えるだろう」(Price氏)

 Harvey氏にとって環境というテーマは、見返りを期待せずに行動するというフェスティバルの理念を世界に示す機会である。

 「これは我々の行動のほぼ全部に影響するはずであり、劇的な効果や変革をもたらす効果につながると考えられる。我々としては、変革に賭けている。10年後には、我々が創造してきた文化が主流になり、世界中いたるところで盛り上がっているに違いない。そうなれば、人々は必ずしもこのイベントに足を運ぶ必要がなくなる」(Harvey氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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