野外アートフェス「バーニングマン」--今夏のテーマは「地球に優しい」 - (page 2)

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、瀧野恒子 2007年05月17日 16時00分

 それでも、バーニングマンの非営利的理念を守る(そのため会場ではコーヒーと氷以外は物品の販売が禁止されている)ために、グリーンパビリオンに自社の技術を展示する企業はブランドやロゴを表示できない。

 「クリーン・テクノロジ・カンバセーション・ドーム」は、サンフランシスコの広告会社Antenna Groupの社長でありバーニングマンに長年参加している Melody Haller氏が運営する関連インスタレーションである。このプロジェクトは、Antenna社の他の多くのクライアントを呼び集めて、公開討論、講演、映画上映、デモンストレーション、地球に優しい技術とクリーンエネルギーの無償供与、世界の第一線を行く科学者たちと会って話をする機会を実現する。

 「砂漠の真ん中という設定は、自分のライフスタイルの真のコストを意識させる状況だ。私は、そうした観点からこのイベントに参加するようクライアントに呼びかけた」(Haller氏)。「部屋の中で電化製品のスイッチを入れるときには電気があるのが当然と思い込んでいるが、ブラックロック砂漠ではそれは通用しない」

 イベントに参加するHaller氏のクライアントの1人B.J. Stanbery氏は、テキサス州オースティンを本拠とする太陽エネルギー関連企業HelioVoltの最高経営責任者(CEO)である。これまでバーニングマンに足を運んだことのないStanbery氏にとって、Haller氏のプロジェクトへの参加を見逃すわけにはいかなかった。

 「個人的には、このイベントをアーティストと技術の架け橋を築く機会と考えている」(Stanbery氏)。「企業経営者の立場で考えると多少のリスクはあるが、起業家として考えるなら、リスクなしにリターンを期待するのは合理的ではない」

 Price氏も、2007年に実行されるあまり芸術的ではないプロジェクトの一部、例えばクリーンテクノロジなどに強い期待を抱いている。その1つでは、フェスティバルの期間中にThe Manに取り付けられる照明に電力を供給する太陽電池の寄贈を募る。Price氏の説明によれば、サンフランシスコを本拠とするMMA Renewable Venturesが寄贈する太陽電池設備はすべて、イベント終了後にブラックロック砂漠に隣接するガーラックの町に寄付される。

 この太陽電池設備は町にとって十分なエネルギークレジットを生み出すため、町はそれをMMAに提供し、太陽電池の支払いにあてる計画だ。

 Price氏の試算によれば、寄贈される太陽電池設備はガーラックの町で消費される総電力の4分の1から3分の1を生むという。

 バーニングマンは最近、Sierra Pacific Powerと組んで新しいコンパクトな蛍光灯をガーラックの住民に支給し、古い白熱灯と交換してもらう取り組みにも乗り出した。

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