Oracleは米国時間5月15日、Agile Softwareを4億9500万ドルの現金で買収する計画を発表した。Oracleはこの買収により、製品ライフサイクル管理(PLM)事業への足がかりを得ることになる。
OracleはAgileを、同社の製品ライフサイクル管理事業の基盤とする計画であるという。カリフォルニア州サンノゼを拠点とするAgileは、企画や設計から製造、販売、サービスにいたるまでの製品のライフサイクルを管理するためのソフトウェアを開発している。
AMR ResearchのアナリストであるBruce Richardson氏は、「OracleはPLM事業に関しては事実上ゼロであり、この買収により、エンジニアリングやマーケティング向け協調作業アプリケーションなどの展開を考える際に役立てることができる」と述べる。
AMRによると、PLM市場の規模は、2006年の52億ドルから拡大し、2007年には60億ドルに達すると予測されているという。全体的には、PLM市場は2010年まで年間9%の割合で成長していくと予測されている。同市場は確実に成長しているにもかかわらず、2006年は564億ドルであったエンタープライズアプリケーション市場全体の規模からするとほんの一部である。
Agileの製品は、顧客が製品仕様や構成を共有し、さまざまな業界におけるサプライチェーン全体を通して協調することを支援する。
Richardson氏は、「Agileは、複数の業界においてCiscoのような多くの大規模顧客に対応した水平的なアプリケーションをOracleにもたらす」と述べた。「Oracleは医療分野で今まで以上に露出するようになるだろう。またAgileは食品や飲料業界にも参入している」(Richardson氏)
またAgileは、Oracleのライバル企業であるSAP AGと同一の顧客を有するケースが多い。例えばSiemensは、SAPとAgileの両社を利用しているが、Siemensの事業のうちAgileが占める割合のほうが大きいとRichardson氏は述べた。
同氏は、「SAPはAgileなど、この分野のサードパーティー企業の買収を考えていたが、数カ月前に自分たちで(PLMを)構築することに決めた」と述べた。
Agileは、約1300のPLM顧客を抱えており、そのうちの複数の顧客がSAPの顧客でもある。Chorley氏は、OracleはAgileのシステムも利用しているこうしたSAPの顧客に対するサポートも継続していく予定だと述べる。
買収は7月に完了する予定となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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