次期Mac版「Office」の開発に取り組んでいるMicrosoftだが、現行のMac版Officeを利用している既存ユーザーが、Windows向けの最新版Officeで採用されている新ファイルフォーマットを扱えるようにするコンバータの開発を延期した。
Microsoftは今回、「Office 2004」が新フォーマットに完全対応できるようになるプラグインの用意ができるのは、2007年後半に予定されている「Office 2008 for Mac」が発売されてから6〜8週間後になると述べている。同社ではその代わりとして、Mac版Officeのユーザーが「Word 2007」の「.docx」ファイルをRich Text Format(RTF)に変換できるコンバータプログラムを米国時間5月15日から別途ダウンロード可能にするという。RTFファイルは、どのバージョンのMac OS X版Officeでも読み込むことが可能となっている。
同社は、「Excel」や「PowerPoint」にも今夏までには同様の変換ツールを用意したいという。MicrosoftがOfficeのこの新ファイルフォーマットに関するMacのサポート計画を延期するのは今回が初めてではない。Microsoftは12月にも、1月の「Office 2007」の製品発売に合わせて用意する見通しだった同フォーマット変換ツールを3月もしくは4月へと延期している。
MicrosoftでMac事業部のマーケティングマネージャーであるAmanda Lefebvre氏は、「いくつかの選択を余儀なくされた。われわれは、Office 2008の完成に向けて開発資源を引き続き集中させている」と語っている。
Microsoftは、Windows用には「Office 2003」で新フォーマットのドキュメントをシームレスに処理できるコンバータをダウンロード提供している。同社は1月、Macユーザー向けに同様のOffice 2004用ツールのテスト版を今春にも用意する計画だとしていた。だが現在は、新ファイルフォーマットを標準で処理可能なOffice 2008のリリース直後に完全版のツールを提供する予定だと同社は述べている。
Lefebvre氏によると、15日からダウンロード可能なWord用のコンバータツールには制限もあるが、複数のドキュメントを一度に変換できるオプションなど、メリットもいくつかあるという。
同氏は、「とにかく何かを準備して使えるようにしておくことも目標の一部だ。Wordは(Officeアプリケーションで)最も利用頻度が高い」と語っている。
Lefebvre氏は、Office 2008の完成に向けたMicrosoftの取り組みは順調に進んでいると述べる。しかし、同氏は同ソフトウェアのパブリックベータ版の提供や時期について詳細は明らかにしなかった。Microsoftは3月、同ソフトウェアのプライベートテストを開始したと述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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