Microsoftは、「Office for Mac」の新バージョンを2007年後半に発売することを発表した。
同社は米国時間1月9日、「Office 2008 for Mac」と命名される同製品がユニバーサルバイナリになることを明らかにした。つまり、同ソフトウェアはIntelとPowerPCのどちらのチップを搭載したMacにも対応することになる。同バージョンはさらに、1月発売となる「Office 2007 for Windows」が採用する新しいXMLファイルフォーマットとも互換性がある。
Windows版と同様、Office 2008 for Macもユーザーインターフェースの改善に重点が置かれている。だが、新しいMac版はOffice 2007が搭載する「ribbon」ユーザーインターフェースを採用せず、代わりに「エレメントギャラリー」と呼ばれるスタイルを採用する。
MicrosoftのSheridan Jones氏は、「かなりMacライクになる。既存ユーザーが戸惑うような変更ではない」と語っている。
同ソフトウェアは、18〜24カ月という一般的なバージョンアップサイクルよりやや間を空けて登場する。現行バージョンの「Office 2004 for Mac」は2004年春にデビューしている。
Microsoftは、Apple Computerが「iWork」スイートの強化を進めているにもかかわらずOffice for Macの開発を継続している。
Jones氏は、「iWorkは一部の顧客にとっては興味深いソリューションだと思う。われわれの顧客はやや異なっており、こちらの製品はかなり強力な生産性スイートだ。iWorkに関心を寄せるのは、さほど強力な機能を必要としない層だ」と語っている。
Microsoftは同スイートの価格を発表しなかったが、Jones氏はOffice for Macの現行バージョンと「同程度の価格設定」になることを明らかにした。Office 2004 for Macの標準版は399ドルだが、Appleは1月16日まで自社サイトで100ドルのキャッシュバックキャンペーンを展開している。また、「Student and Teacher」エディションは149ドルで、現在15ドルのキャッシュバックが提供されている。
Office 2008では、機能を探しだしやすく、使いやすくすることに重点が置かれているが、Mac専用の機能もいくつか用意されていると、Jones氏は語っている。
その1つが「My Day」と呼ばれる新しいプログラムだ。これなら、「Entourage」を起動して電子メールのチェックを余儀なくされることなく、カレンダー情報や未処理の作業を素早く表示できる。
「デスクトップに常駐しているのでいつでも見られる。自分のスケジュールなどを常時管理できる」とJones氏は語っている。
もう1つOffice 2008 for Macでユニークなのが、Microsoft Word上でのページレイアウト作業の改善だ。Wordには、Windows版にもMac版にも以前から段組みなどの機能があったが、新しいパブリッシュレイアウト表示では、最終プロジェクトのレイアウトをより確実にビジュアル化しながら編集作業を進められるようになる。「ページレイアウトツールとしてのWordの足かせが完全に外れる」とJones氏は語っている。
Mac版Office専用の仕様としてはもう1つ、「帳簿シート」と呼ばれる新しいExcelテンプレートセットがある。これらのテンプレートを使えば、基本の手順や計算方法が分からなくても請求書の作成や小切手の管理などが可能になる。
「Excelの機能を万人が使えるようになる」とJones氏は語っている。
Microsoftはファイルフォーマット関連でも、現行のOffice for Macで新ファイルフォーマットのドキュメントを読み書き可能にするコンバータのベータテスト版を今春から準備する計画を明かした。同コンバータの最終バージョンはOffice 2008の発売から約2カ月後に出荷される予定だと、Jones氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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