マイクロソフト、レイ・オジー氏の静かな革命 - (page 2)

文:Martin LaMonica(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年05月09日 08時00分

 はい。間違いなく、より多くのものを出していきます。これは、われわれが投資とインフラを活用できる例の1つです。Windows Updateとオンラインサービスがありますし、われわれは規模の経済の恩恵を大きく受けていますし、データセンターのインフラを作っていますし、われわれの記憶容量あたりの費用は極めて小さい。ですから、これは、Silverlight開発者を支援するサービスのいい例なのです。特に「テール」の開発元ですね。MLBやNetflix(両社は4月30日にSiverlightアプリケーションを発表したMicrosoftの顧客)などのヘッドの部分を走っている人たちがいますが、彼らは大企業です。彼らはコンテンツ配信ネットワークに関する協定を自分で組むことができます。しかし、ほとんどの小規模アプリケーションの開発元にとっては、これは大変複雑な仕事です。彼らには、成功の夢が叶ったときの、利用の瞬間的な増大には十分備えることができません。

――MicrosoftはOffice型のウェブベースのアプリケーションについては、旧来のやり方を守っているという印象があります。GoogleやZohoのような新興企業がこれに取り組んでいるのはご存じの通りで、オンラインのERPアプリケーションも存在しますが、Microsoftはこれについてはまだです。しかし、Microsoftはこれが可能なはずです。なぜやっていないのでしょう。

 遡れば、Desktop.comの人たちがやっていますね。これについては、私はかなり大きなビジネスを展開しているのだ、という言うほかありません。保護には障壁を作るというニュアンスがありますが、障壁はありません。われわれは、PCのデスクトップツールを使って作られた環境は非常に価値があると思っており、私はデストップビジネスに長く関わっていますが、これを心から信じています。できるということが、必ずしもすべきだということを意味しないということもあります。ある程度までは、ウェブを巻き込んだシナリオが非常に役立つこともあり、われわれはそういうシナリオについては取り組んでいきます。これは、それが顧客の役に立つからです。われわれは常に顧客に焦点を当てていなくてはなりません。

 われわれは、誰かが何かをできることを証明したというだけで、それに反応することはありません。もしある程度見返りがあるようなら、すぐにそれを追いかけなくてはなりません。競合企業にはユーザーに使われないものを作ってしまったところや、使われてはいるが、現在デスクトップアプリケーションが使われていない場所でだけというところがあります。今では彼らは多くのことを学んでいるのではないでしょうか。われわれは、そういうことを全てを学んでおり、われわれの製品は将来ある程度ハイブリッドな形になると思います。

――将来の展望として、Microsoftの全ての現在あるソフトウェアは、何らかのサービス要素を持つようになると思いますか。

 これまでデスクトップアプリケーションだと考えられていたアプリケーションのほとんどは、発展させていくと・・・これも、一夜にしてできるというわけではありませんが・・・。実際、「ほとんど」という言葉を使うべきではありませんね。これは、「半分よりも多く」ということを意味しますから。「圧倒的多数」という言葉を使いましょう。現在のデスクトップアプリケーション、ウェブアプリケーション、あるいは高度なインターネットアプリケーションは、かなり多くのものがある種のウェブとクライアントとモバイルの要素を持つようになるでしょう。今はモバイルについてはあまり言及されませんが、多くのイノベーション、あるいは騒動が起こっています。起こっていることをなんと呼ぶかは好きに決めてよいと思いますが。

 しかし、私はウェブ開発者が作っているものを発展させたいと思えば思うほど、モバイルやデスクトップ用のものを開発することの難しさに気付くと思います。デスクトップのものは増えていますが、これは単にローカルに置く文書やオフラインサポートのためだけではありません。ウェブサイトの場合、ユーザーに自分から進んで戻ってきてもらわなくてはなりませんが、デスクトップに何かを置ければ、ユーザーに常に思い出させ、日常的に情報を提供できます。これはウェブアプリケーションにとっては非常に有益です。

 これが成立しないのはどういう場面でしょうか。インターネットに接続されていない環境はほとんどありません。国防省や、本格的なファイアウォールがあるところだけでしょう。そういう場所では、サーバを利用したものか、クライアントサーバ、組織内ウェブアプリケーションなどが使われ続けます。しかし、商業界や消費者の大部分については、私は個人的にはそういうハイブリッドアプリケーションを使うようになると考えています。

――将来このソフトウェアとサービスの設計パターンが主流になり、われわれはそれを今見始めているところだということでしょうか。これは、デスクトップのWindowsにはどう影響しますか。

 私の意見では、デスクトップ環境やデバイス環境でのデバイスのOSのもっとも大きな役割は、これは電話やPCではそうなのですが、プログラマとハードウェア、ユーザーとハードウェアの間をつなぐことです。

 私の電話ではメールやMLBアプリケーションなどが実行されていて・・・これで私は携帯でゲームができるのですが、こういうものは基本的にクライアントOSを利用して、サービスに接続しながら、最高の経験を作り出すようになります。

 私は、OSやOSそのもののイノベーションには、まだ大きな重要性があると思っています。ただ、何の上で実行しているかに依存しない、純粋なインターネットアプリケーションも存在します。ローカルクライアントアプリケーションもあるでしょうが、これらのクライアントがサービスに接続されることになると思います。

――ソフトウェアとオンラインサービスについては、極端な見方が取り上げられ、議論されていると思いますか。

 極端なことの方が考えやすいとは思いますが、ソフトウェアを作っている人たちはみな、現時点ではハイブリッドモードで考えています。レトリックを横に置けば、私はわれわれがやっていること全てについて、ウェブに接続しないアプリケーションや、オフライン要素を持たないサービスアプリケーションのような、そんなに極端な世界に住んでいるとは思いません。

――現状では、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)やツールが提供されています。eBayやGoogleやYahooもそうしています。しかし、ユーザーはどこに行きたがるでしょうか?多くの人がMicrosoftの「クラウド(cloud)OS」やWindows Live Coreについて話しています。現在のWindows Liveプラットフォーム、ユーザーが行きたがっているところの違いは何でしょうか。

 今はこの分野で発表できることはありません。しかし、われわれが何らかの取り組みを行っていることは明らかだろうと思います。

 層に分けて考えてみましょう。生のインフラの層には演算処理、ストレージ、通信がありますが、これらはデスクトップPCやサーバやサービス、あるいはその他のものの一種のDNA要素にあたります。一番つまらない基礎的なレベルでは、もしわれわれの資産を面白い方法で開発者にまで広げることができる方法があるとすれば、Microsoftが提供するサービスはリソースレベルになると仮定しておくのが安全だろうと思います。そして、Silverlight Streamingはそのいい例です。

 次の層は、基礎的なサービスとして参照されているものです。IDや管理、連絡先リスト、写真など、こういったものは1レベル抽象度が上です。Windows Live APIや今回発表したものは、このレベルのいい例です。これは本当に低いレベルではありませんが、特にアプリケーションにとっては役に立ち始めています。

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