Dellが「Windows XP」を再び採用することを決めた。
Dellは米国時間4月19日、顧客からの強い要望を受け、同社の消費者向けPCの一部でWindowsの旧版であるXPを選べるようにしたと発表した。
ほかの多くのコンピュータメーカーと同様に、Microsoftが1月に「Vista」を一般発売したあとは、同社も販売するシステムをほぼ全面的に同新OSに対応させた。だがDellの顧客は、企業の新製品開発を支援する同社の「IdeaStorm」プロジェクトを通して、XPの復活を求めてきたという。
Dellは「Ideas in Action」ウェブサイト上で、「われわれのPC製品にWindows XP利用オプションを付けてほしいという切実な要望が顧客から寄せられている」と述べている。さまざまな提案に対するユーザー投票を行ったところ、XPの復活という項目は1万ポイントを獲得して、もっとも人気のある提案の1つになったという。ただし、さらに多くの支持を集めた「Linux」もしくは「OpenOffice.org」の追加要望には遠くおよばなかった。
Vistaのリリース後、XP搭載システムは大幅に数を減らしたが、市場から完全に排除されてしまったわけではない。例えば、Hewlett-Packardは中小企業向けのマシンでのXP利用を続けると明言しているし、CompUSAは自身の小売店にビジネス向けXPシステムを複数台ストックしている。また、Lenovoも多数のビジネス向けシステムにXPを搭載し続けてきた。
Dellによれば、4種の「Inspiron」ラップトップモデルおよび2種の「Dimension」デスクトップに、XPの「Home」および「Professional」利用オプションが直ちに追加されるという。
同社は2007年4月初めに、小規模企業顧客に対するXP選択オプションの提供を再び開始したが、当時はこうした取り組みを一般ユーザーに適用する予定はないと述べていた。
Dellの小規模企業マーケティング担当ディレクター、Tom West氏が4月当時に執筆したブログには、「一般ユーザーがWindows XPを任意に選択できるようにする計画はない。求められているのは、Windows Vistaを含む『最新かつ最高』の技術だと確信している」とある。
アナリストらは、Dellの動きはVistaにとって好ましからざるものと分析している。
IDCのアナリストであるRichard Shim氏は、「消費者市場の一部にXPへの需要が残っているのは、Vistaがユーザーの心をつかみきれていないからだ」と語った。
Vistaの売り上げはリリース直後こそ伸びたように見えたが、これはPCの購入を2006年末から延期したユーザーが存在していたためと思われ、第1四半期後半の販売実績はやや落ち込んだと、Shim氏は述べている。同氏は、Vistaに対する全般的な反応は、2007年末までには徐々にはっきりするだろうと話した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」