IDCの最新調査によると、パソコンメーカー各社は2006年第3四半期、米国で苦戦を強いられたようだ。
IDCのアナリストLoren Loverde氏によると、米国市場のパソコン出荷台数は2006年前半に5%以上伸びたが、第3四半期は前年同期と比べてほぼ横ばいであったという。米国の出荷台数が毎年約10%ずつ増加した2003年〜2005年に比べ、企業はパソコンを買い替えていないと同氏は述べた。
Loverde氏は、第3四半期にパソコンベンダー数社の業績が思わしくなかったと述べた。Hewlett-Packardは第3四半期に好調な業績を示したのに対し、Dell、Gateway、Lenovoなどの企業はいずれも期待を下回る結果となった。Dellは米国のパソコン総売上の約3分の1を占めるため、同社の業績が悪化するとその影響が市場全体の数字に顕著に表れると同氏は述べた。
このため、IDCは2006年の米国市場の予測成長率を3.5%に下方修正している。2005年には米国のパソコン出荷台数は9.6%増加した。また2006年のクリスマス休暇シーズンに米国ではノート型パソコンを購入する消費者が多いという情報があるにも関わらず、IDCの調査結果はこのようになった。
パソコン市場は現在、ノートPCの人気上昇、Microsoftの「Windows Vista」の発売の遅れ、新興市場におけるパソコン需要の高まりを特徴とする過渡期にあるとLoverde氏は言う。2006年の全世界のパソコン市場の成長率は10.4%になる見込みで、今後数年間の成長率は約10%以上の水準を保つと予測されている。
もっとも米国の成長率は2007年には6.9%まで回復すると予測されてはいるものの、2けたの成長率には程遠い。パソコンを利用する企業は3〜4年ごとにシステムを入れ替える傾向にあり、2003年〜2005年にパソコンの購入が集中したことから、パソコン市場はしばらくは落ち着いた状態になることが予測されるとLoverde氏は言う。また同氏によると、企業はVistaの能力を確認するまではVistaへのアップグレードを差し控えるという。多くの企業は2008年までVistaの導入を開始しないだろうと予測されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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