しかし、アナリストはこの報道を軽視し、Appleもその後ほどなくVista互換バージョンのBoot Campをリリースした。Intel Mac上でWindowsを起動できるようにするBoot Campは、Leopard出荷時には同OSに内蔵される予定だ。
Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は、2006年のWWDCでLeopardを先行公開し、「Time Machine」バックアップソフトウェアや、非常に洗練された新しいタイプのアプリケーションを開発できるようにする「Core Animation」など、いくつかの機能を披露した。
AppleはかねてよりLeopardの出荷を2007年春と述べていたが、同社とその観測筋は、Jobs氏による1月のMacworldでの発表以来「iPhone」に夢中になっていた。
Leopardの発売延期を伝えるAppleの声明も、iPhoneが6月下旬出荷予定であることを強調する文章から始まっている。Leopardの話が出てくるのは後半に入ってからだ。
声明には、「しかし、iPhoneには携帯端末用として史上最も洗練されたソフトウェアが搭載される。これを予定通りに投入するために、ほかにしわ寄せが来てしまった。ソフトウェア開発や品質保証関連の重要なリソースをMac OS Xチームから呼び寄せなくてはならず、その結果、6月上旬開催のWorldwide Developers Conferenceで予定通りLeopardをリリースすることができなくなった」とある。
Kay氏によると、この延期はMacの出荷台数にさほど大きな影響は与えないという。第3四半期にLeopardの売上高を計上することはできないが、iPhoneの売上高がこれを相殺するはずだと、同氏は語っている。
しかし、Current AnalysisのアナリストSamir Bhavnani氏によると、Appleでは、PCにとって一年で2番目に重要な時期である入学シーズンに製品が間に合わなくなるという。8月と9月にMacを購入する人にはLeopardへのアップグレードクーポンを提供することも検討すべきではないか、と同氏は語っている。これは、Vistaが2006年の年末商戦に間に合わなかったときにWindows PCベンダー各社が講じたの同様の措置だという。
Appleは、iPhoneかLeopardのいずれかをスケジュール通り出荷するという二者択一を迫られたようだ、とBhavnani氏は語っている。同氏は、「iPhoneはLeopardより優先される。PCの方は(今から10月まで)販売していけるとの感触だが、電話機の方は現時点で発売すらできていない」と語っている。
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