ソフトバンクテレコム、日立情報通信エンジニアリング、玉川大学は4月6日、「Y-00」と呼ばれる量子暗号技術と商用ネットワークを使った光通信中継伝送実験の結果を発表した。総延長約200kmの光多段中継伝送とギガビットイーサネットおよびファイバチャネルを用い、Y-00暗号化伝送に世界で初めて成功したという。
Y-00は、レーザー光の量子雑音を暗号化に利用することで、大容量データを高速に直接暗号化し、長距離通信可能とする量子暗号方式。現在普及している光強度変調方式の光通信技術と親和性が高く、現行の障害時用切替制御方式の応用が可能なことから、ソフトバンクテレコムらは「通信事業者の商用バックボーンネットワークへの適応性が非常に高い」としている。
実験は、広田修氏の理論にもとづいて日立情報通信エンジニアリングが開発した転送速度2.5Gbpsの光通信量子暗号送受信機と、ソフトバンクテレコムの商用光ファイバ伝送路および商用光増幅器を接続して行った。
具体的には、ソフトバンクテレコム本社とデータセンター間の48kmの商用光ファイバ伝送路を使い、減衰した光信号を光増幅器で増幅して中継することで、光強度変調方式Y-00送受信機として世界最長の192kmの長距離伝送に成功した。光増幅器3中継、48km×4スパンという構成で、ビットエラー率は10のマイナス12乗以下だった。
また、この2対向のY-00送受信機の光信号を光カプラで合波し、1本の光ファイバに伝送する光波長多重(WDM)伝送を行い、伝送距離96km×2スパンのエラーフリー通信を確認できた。
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