独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は4月3日、2007年3月および第1四半期のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。
発表によると、2007年3月のウイルスの検出数は約66万個と、2月の約69万個から4.6%の減少となった。また、3月の届出件数は2933件で、2月の3098件から5.3%の減少となった。
検出数の1位は「W32/Netsky」で約52万個、2位は「VBS/Solow」で約4万個、3位は「W32/Sality」で約3万個であった。届出数では、1位が539件で「W32/Netsky」、2位が251件で「W32/Sality」、3位が221件で「W32/Bagle」となる。
不正アクセスの届出件数は13件で、このうち9件が被害に遭った。被害の内訳は、侵入が2件、DoS(サービス拒否)攻撃が1件、アドレス詐称が2件、その他が4件となっている。相談受付件数は43件で、このうち20件は何らかの被害に遭っているという。
3月の相談総件数は1127件となり、今までの最高を記録した。内訳は「ワンクリック不正請求」に関する相談が316件と最悪の記録を更新し、その他は「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が23件、「Winnyに関連する相談」が5件などであった。
2007年第1四半期(1月〜3月)の届出件数は、合計9544件となった。届出件数は2006年第1四半期(1月〜3月)以降、減少傾向となっており、これはメール機能を悪用するタイプのウイルスへの対策がとられ、新種ウイルスが蔓延する状況が減少してきたことによると推測している。
また、ウイルス検出数は減少傾向が続いており、約236万個と2005年第4四半期から最低となっている。この時点と比較すると10分の1程度だが、このときは「W32/Sober」の影響で特に検出数が多くなっている。
2007年第1四半期の不正アクセス届出件数は合計68件となった。これは前四半期の約1.2倍、被害に遭った件数は約1.4倍となっている。内訳は、不正なアクセス形跡を発見した「アクセス形跡(未遂)」の届出が21件と全体の30.9%を占めた。
また、実際に被害があった届出は45件と全体の66.2%を占めた。被害の原因はID・パスワード管理不備が5件、古いバージョン使用・パッチ未導入が4件などであった。
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