[2007年4月3日 17:40更新] Googleがテレビ広告ビジネスに参入した。Googleがテレビ広告に参入するとの噂は何カ月か前から流れていた。
Googleは米国時間4月2日、EchoStar Satelliteと提携して、DISH Networkが米国で展開する125の衛星放送ネットワーク用に広告を販売すると発表した。これにより、Googleが、年間売上106億ドルを稼ぎ出すオンライン広告ビジネスを擁して、いかにテレビ広告ビジネスを征服しようとしているのかの一端が示されたことになる。
EchoStarとの契約の下、広告主はGoogleが提供するオークション形式のAdWordsシステムを利用して、広告スポットに入札する。広告主はテレビコマーシャルをアップロードし、希望の時間帯とチャネルのほか、放送地域を限定するか、全米で放送するかを指定する。このほかに、18〜34歳の男性というように、視聴者の属性を指定することも可能だと、Google TV Adsの製品管理を担当するディレクターのKeval Desai氏は述べる。
Desai氏は「われわれは家庭や個人をターゲットにはしていない」と述べる。また、Googleがきめ細かくターゲットの絞られたオンライン広告を配信していることに、懸念の声が上がっていることについて「われわれは、ユーザーのプライバシーには注意を払いたい」と付け加えた。
Googleはまた、サンフランシスコ東部の小規模なケーブルテレビ事業者Astound Broadbandと同様の取り組みを試験中であることを認めた。AstoundとGoogleは、2006年秋より、テレビ広告販売の試験を実施してきたと、両社は述べる。 Astoundのプレジデントを務めるCraig Heiting氏は、ターゲッティング広告の仕組みについて、ケーブルテレビのセットトップボックスが家庭で視聴されている番組をトラッキングすると述べる。そのおかげで広告ターゲッティングシステムは、各家庭でよく見られる番組のタイプと、興味を持たれるであろう製品やサービスの広告をマッチングすることができるという。
Astoundのプロジェクトは、規模こそ小さいものの、GoogleがDISH Network以外のネットワークとも取引したいと考えていることの証しと考えられる。
E*Tradeや1-800-Flowersは、すでに広告主としてDISH Networkで広告を流すための枠を購入する計画だ。両社は、Google TV Adsを通して広告枠を購入する決め手となったのは、広告が流れた場所と時間、視聴した人の数が分かることだったとしている。
しかし、業界の動向に詳しい専門家の中には、Googleが大手のケーブル事業者との契約を獲得するまでは、本当の双方向性やターゲッティングは実現しないと、述べる人もいる。というのも、ケーブルテレビ事業者は、衛星テレビ事業者よりも、視聴者を細かくセグメント化し、ターゲッティングできることで知られているからだ。
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