GoogleとCBSの間で行われている交渉が成立すれば、GoogleはCBSの所有するラジオ局向けに広告を販売するだけでなく、CBSのコンテンツを配信することになるかもしれない--Merrill Lynchは米国時間1月11日付けの調査報告書にこのように記している。
Merrill LynchのアナリストJessica Reif Cohen氏は、「CBSの最高経営責任者(CEO)Les Moonves氏がCES(2007 International CES)の基調講演でGoogleとの広範囲にわたる契約を発表するものと期待されていた。具体的にはGoogleがCBSの広告を販売し、またCBSのコンテンツをオンラインで利用して広告収入の増加を図るといった内容が予想されていた。これはCBSにとって非常に良い話で、両社は今も交渉を継続中であると思われる」と記している。
CBSおよびGoogle関係者は、噂や憶測に対してコメントすることはできないという両社の方針を理由にいずれもコメントを避けた。
GoogleとCBSが広告で契約すれば、GoogleはCBSの150近いラジオ局をGoogle広告主が利用できるようにすることが可能になり、参入したばかりのラジオ広告市場におけるビジネスを拡大することになる。Googleの広告主の多くにとってラジオ広告は初めてであり、新しい市場開拓となる。
Googleは2006年、同社のラジオ向け自動広告システム「Google Audio Ads」の試験を開始した。同サービスは、Googleがラジオ広告会社dMarc Broadcastingを買収して得た技術を利用したものである。
一方CBSにとっては、Googleとの広告契約は広告収入を増加させ、番組の人気が低迷した場合などに減少する収入を埋め合わせることができるかもしれない。また、コンテンツに関する契約では、オンライン視聴者の獲得により全体の視聴者数が増加し、売り上げが増える可能性があると同報告は記述している。
「CBS Radioの総広告時間の10%が契約の対象となったと仮定すると、約2億万ドルの売り上げに相当する」と調査報告には記されている。「CBS側の利点としては、1) Googleの検索専門技術に基づいた自社プラットフォームに新しい広告主(これまでより小規模な企業になると思われる)を誘致できること、2) 広告販売の問題点やコストの少ない、効率的な販売モデルを構築できることが考えられる」(同報告書)
報告書によると、契約はラジオ広告を対象とし、テレビ広告は対象とならないことが予測されている。コンテンツ配信契約に関しては、GoogleがCBSに一定の売り上げを保証するか、またはCBSのコンテンツに付随する広告から得られた売り上げを折半することになるだろうと同報告には書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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