東芝ら、北九州市に国内初の拠点型PCB汚染土壌処理施設を建設

 東芝の100%子会社であるテルムは3月28日、PCBによる汚染土壌を浄化する国内初の拠点型汚染土壌浄化施設を4月下旬から北九州市若松区響町に建設すると発表した。

 同施設は、土壌中の水分を利用してPCB、ダイオキシン類、残留農薬などの汚染物を分解する「ジオスチーム法」を採用した汚染土壌浄化施設で、7月末より稼動の予定。恒常的に稼動する拠点型のPCB汚染土壌の処理施設としては、国内初の施設となるという。

 事業実施に伴い、3月26日に北九州市と環境保全協定を締結した。施設の運営はテルムが行い、東芝および鴻池組が装置の運転管理面などを技術支援する。

 東芝は2001年にジオスチーム法の開発を始め、2004年度からテルム、鴻池組とともに実用化に取り組んでいる。ジオスチーム法は、土壌を加熱し汚染物を蒸発させる方式(間接熱脱着法)により土壌からPCBなどの汚染物を除去する工程と、土壌から蒸発させた汚染物質を水蒸気で分解する方法(水蒸気分解法)により無害化する工程――という2つの工程で構成され、汚染物の除去から分解までを一連のシステム内で行うため、装置外へ汚染物を排出しない。また、溶剤や薬品を用いないため、有害物・危険物等を取り扱う必要がないという。

 同施設の無害化設備は、すでに行っている環境省や国土交通省の実証実験を通じて安全性・浄化性能を確認したものと同一のシステムを用いる。処理の規模は1日約7.2トン、年間処理量約1700トンを予定。浄化された土壌は、土木原料やセメント原料などとしてリサイクルを計画している。

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