Yahooは米国時間3月28日、同社ウェブメールサービス「Yahoo Mail」のAPIを公開した。サードパーティーの開発者はこれを利用することで、Yahoo Mailを活用したアプリケーションを作成できる。
Yahoo MailのAPIを公開する動きは、ウェブ開発者がYahoo Mailを利用したサービスを構築することを促すものとなり、Yahooはサードパーティーの「マッシュアップ」でユーザーを増加したい意向だ。マッシュアップとは、複数のウェブサイトからコンテンツを組み合わせてハイブリッド型ソフトウェアを構築する手法だ。
「(Yahoo)Mailの活用には大きな可能性がある。ユーザーエクスペリエンスを広げることで、プラットフォームへの参加と利用を増加できると信じている」とYahoo Mail担当バイスプレジデントのJohn Kraemer氏は述べている。
Yahooは今回、財務的にも開発者を支援する。開発者はトライアル中、自分が開発したアプリケーションによりYahoo Mailのプレミアムアカウントが1件作成されるごとに10ドルのインセンティブを受け取ることができる。
Yahoo MailのAPIは、Simple Object Access Protocol(SOAP)かJavaScriptベースのJSONを通じて利用できる予定。
外部の開発者が新たに構築したアプリケーションの1つに、Yahoo MailとYahooの写真共有サイト「Flickr」を結び付けるサービスがある。
これは、Yahoo Mailで新しい電子メールを受信する際、件名に含まれている言葉をもとにFlickrから写真を検索するというものだ。たとえば、「フランス旅行」が関係した電子メールを受信すると自動的にエッフェル塔の写真を表示する、とYahoo Developer NetworkのシニアディレクターであるChad Dickerson氏は説明する。
Dickerson氏によると、Yahooはこの2年間、ウェブ開発者向けの取り組みを進めており、最初にYahoo MailのAPI公開を検討したのは、2006年秋のことだという。
自社サービスに対するAPIを提供することで、そのほかのウェブサービス企業と同様、Yahooも自社サービスへのトラフィック増や、アドオン製品の豊富なサードパーティーネットワークの構築を狙っている。
Yahoo Mailは2億5000万人のユーザーを擁しているという。また、これとは別に、Yahooは、Yahoo Mailのストレージ容量を5月から無制限にすることを計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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