変換を楽にしてくれる親切な機能があるのも、ATOK 2007のよさの1つだ。たとえば、「きょう」「らいねん」といった語句で日付や年が変換できる。「きんようび」と入力して変換すると、「2007年3月23日」というように今週の金曜日の日付を候補で表示することもできるなど細かく配慮されているから、人気の機能だというのもうなずける。
必要に応じて新機能の日付入力パレットを表示すれば、カレンダーを見ながら正しい日付を簡単に入力することもできる。
また、文章を入力しているときに、うっかり間違った同音語に変換してしまい気づかないことがある。たとえば「的を得た発言」と入力すると、“「当を得る」/「的を射る」の誤用”とATOK 2007が表示してくる。誤りやすい同音語をもつ単語を変換したとき、よく似た同音語を提示して注意を促すなど、人間のうっかりミスもチェックしてくれるというわけだ。
また、「やっぱり」や「〜しなくちゃ」といった口語的なくだけた表現に注意を表示してくれる機能は、ビジネスシーンにおいての文書作成ではもちろん、メールの文章の入力にも役立つだろう。
混同しやすい敬語を指摘し、訂正候補と詳細な解説を提示してくれる機能もある。うっかりした書き間違えのまま提出してしまい、恥ずかしい思いをしなくて済むので、ありがたい。
こうした親切な機能によって日本語表現が磨かれ、文章を入力するのが苦ではなく、楽しさにつながってくるのだと思う。
また、外部のデータと連携する新機能も搭載された。ジョルダンの「乗換案内」に収録されている駅名データを使って、正確な駅名を入力できる。うろ覚えの駅名を最初の数文字入力するだけで表示する省入力データが、住所や路線名など駅についての詳細情報を電子辞典として表示できる点は、これまでの日本入力システムにはなかった発想だと言えるだろう。
ATOK 2007は、Windows Vistaにも対応している。変換候補の表示などは、読みやすい新インターフェースへ変更になり、すっきりとした見やすいデザインになっている。
Windows Vista搭載フォント「JIS X 0213:2004」の対応にあわせて、表示可能になった漢字が候補ウィンドウから選べる。たとえばこれまでは、「屏風(びょうぶ)」という漢字は、簡易慣用字体のみしか使えなかったが、印刷標準字体も変換候補を表示する。
メールのアドレス帳から、ATOK専用のメール辞書を作成する機能(※)もWindows Vistaに付属の「Windows メール(Outlook Expressの後継ソフト)」に対応。アドレスのふりがなを利用して、名前やメールアドレスの変換が行えるので便利だ。
※「Office連携ツール for ATOK 2007」として、ユーザー登録するとダウンロードして使える機能。
次回は、日本語表計算ソフト「三四郎 2007」、プレゼンテーションソフト「Agree 2007」、統合グラフィックソフト「花子 2007」をレビューしたい。
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