司法当局関係者は米国時間3月7日に発行された合同現状報告書で、Microsoftがライセンス所有者向け技術文書の改定期限に遅れるのではないかという懸念が高まっていると表明した。
Microsoftは、独占禁止法訴訟の和解に対する要求である2002年の同意判決の一環として、他社製品との相互運用性向上を目的としたサーバプロトコルの公開を求められていた。Microsoftと司法省は、合同現状報告書をコロンビア特別区連邦地方裁判所に提出した。Microsoftと司法省はまた、頻繁に現状報告会議も行っており、3月13日にも行われる。
司法省は報告書で「原告は、Microsoftが当初のスケジュールを守られていないのではないか、とくに、当初から含めるべきであったプロトコルについて、プログラム終盤であるこの時期にまだ作業中であるのは問題ではないかと、懸念している」と述べている。
司法省は、2006年12月に行われた第2回中間報告で基準を満たすためMicrosoftの技術文書の質は向上したようだが、最終的な評価を下すにはまだ検討を重ねる必要があるとしている。Microsoftは2月21日に行われた第3回中間報告でも文書の提出を行っているが、司法省による審査はまだ終了していない。
ここにきてMicrosoftは日程の変更を希望しており、中間報告の追加1回と、修正期間におよそ2カ月を求めている。
司法省の報告によるとMicrosoftは、情報公開計画の日程が組まれた後に「Longhorn Server」に追加されたプロトコルや、日程編成時に不注意で見逃がしていたプロトコルなど、2006年秋に提案された当初の予定にはなかった多数のプロトコルについて、情報公開計画に盛り込む必要があることを発見したのだという。
Microsoftは報告書で、Longhorn用の中間報告を4月3日に設定し、ライセンス所有者向けに30の文書を用意することを提案している。
第4回中間報告では35の文書がライセンス所有者に公開される見込みで、予定より1カ月遅れの5月11日に行われる。第5回中間報告では38の文書が公開される予定で、5月29日の日程を変更して7月20日に行われる。
Microsoftはこの遅れを、公開する文書の量が急激に増えたためだとしている。
同社は報告書で「文書の件数増加は、主に2つの要素からなる。(1つは)、社内監査で文書公開が必要なプロトコルが新たに見つかったこと。(2つめは)、すでに公開計画に含まれているプロトコルの一部について、より包括的で詳細な説明を加えることで文書全体の品質向上が可能であるという結論に至ったことである」と説明している。
Microsoftと司法省は来週の現状報告会議で日程問題を話し合う見込みだが、法廷がこれを歓迎するかどうかは定かでない。
連邦判事は2006年、四半期ごとに行われる現状報告会議の中で、Microsoftの取り組み方について「緩慢」であると批評した。この報告会で、Microsoftは同意判決に従っているかどうかを評価される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス