Nine Onlineがデジタル雑誌に現実世界の感触を加える試みをするずっと前から、研究者たちは逆の方向性を模索していた。わたしたちが愛して止まないもののひとつである「紙」にデジタルの感触を加えるというものだ。この「電子ペーパー」あるいはe-paperが開発されたのは、1970年のゼロックスパロアルト研究所(PARC)にさかのぼる。
Wikipediaには、予想される将来のアプリケーションには、e-paperで作られた本が含まれると記されている。e-paperは多くの本のデジタル版を収めることができ、1度に1つの本の内容だけをページに表示する。これが出来れば、わたしたちはデジタル書籍のページをめくって、現在のウェブページと同じように書籍と対話することもできる。これは、物理世界とデジタル世界を融合させようという競争にもう1つの挑戦者をもたらす。iPhoneだ。
今では、Appleが「車輪」の再発明をできることを疑う人は少ない。AppleはiPodでそれをやり、iPhoneでまた繰り返そうとしている。iPhoneの特許出願中であるマルチタッチ技術を試すチャンスを持てた人はまだ多くないが、iPodのクリックホイールを見ると、Appleはデジタル情報と交わる本当に新しい方法を発明したと言えるだろう。
Appleはデジタルオブジェクトの外観や感触、動作を物理世界での同機能の製品に似せることで、わたしたちのデジタル経験を塗り替えると約束している。それは、最高のUIと面白いおもちゃを実現するだけでなく、時間を節約してくれる電話であり、常に持ち運ぶデジタル機器であることを約束したものだ。物理世界のものと同じように直感的なものになるだろうからだ。
わたしたちの物理世界の経験とデジタル世界の経験を結合し、調和させることは、簡単なことではない。しかし、多くの技術が、単純で、一貫性がありかつ豊かなユーザーの体験をもたらす融合を作り出そうとしている。現実世界のものは物理法則に従い、デジタル世界のものは、・・・少なくともよい設計の法則に従うが、ハイブリッドの法則はまだ発見されていない。
成功の鍵は、物理とデジタルの組み合わせが、ユーザーを混乱させないことを保証することだ。Nine Onlineを試している時、わたしは何かをクリックして結果に驚いたことはなかった。多くの人が、iPodでも同じことを経験しているだろう。iPodは期待したとおりに動く。ユーザーを満足させながら、新しい融合の方法を発明するというのが、これらの技術が目指すことだ。
あなたの好みのデジタルと物理のリミックスはなんだろう?
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