オーストラリアシドニー発--Microsoftと提携してからまだ間もないNovellだが、今後もMicrosoftと同社OSである「Windows Vista」との対決姿勢を維持し続けるようだ。
Novellの最高経営責任者(CEO)であるRon Hovsepian氏は米国時間2月15日、当地で開催の会議でメディアに対し、「Vistaに対する(消費者の)反応が薄いことに興奮している」と述べる。同氏はさらに、「われわれは積極的に(Microsoftを)攻め、可能な限り同社を追い込んでゆくつもりだ」と付け加えた。
MicrosoftのVistaは開発に5年を要したため、その背後にあるコードは極めて複雑だが、その点オープンソースはより柔軟で融通が利く、とHovsepian氏は語る。「その利点を利用しない手はない」(Hovsepian氏)
Novellは、自分たちのやり方で市場を攻めると宣言してはいるものの、Hovsepian氏はMicrosoftとの提携にも多くのメリットがあることを認めている。両社は2006年11月に提携を結び、今週その詳細を明らかにした。
Hovsepian氏は、市場では「Microsoftの絶対的な力」から逃れられないのが現実で、第一歩を踏み出すためにはMicrosoftと組む必要がある、と述べる。同氏によると、Novellの顧客の大半は「Microsoftは嫌いだ」と言うが、彼らが所有するサーバの6割はNovellが支援するLinuxではなくWindowsを搭載しているという。
Hovsepian氏は、「顧客に近づけば近づくほど、(Windowsの方向に向いていた)足跡をLinuxの方向に向けるチャンスが増える」と述べ、さらに「われわれはMicrosoftと競争したい。(中略)そして顧客が(使用する)プラットフォームを決めたら協力する。(中略)その戦略により、Novellは確実に市場で長生きできる」と語った。
Hovsepian氏は、Linuxは今や5億ドル市場に成長し、UNIXの整理統合の犠牲の下に成長を続けている、と指摘する。「われわれはMicrosoftから(顧客を)十分に奪ってはいない」(Hovsepian氏)
NovellはMicrosoftから、同社にとって重要な顧客だったフランスの自動車メーカーPSA Peugeot Citroenを奪った。Peugeotはこれまで使用していたWindowsシステムに代え、NovellのSUSE Linuxを搭載したデスクトップPC2万台とサーバ2500台を導入する。
NovellがMicrosoftからPeugeotを奪ったことは、注目に値する出来事だ。NovellはMicrosoftとの提携について、純粋に顧客のニーズに基づくものと主張しているが、同社が長年のライバルであるMicrosoftと手を組む決断を下した背景には市場シェアの問題が大きく影響した。
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