セキュリティ専門家らによれば、フィッシング詐欺メールの数が、ウイルスやトロイの木馬プログラムに感染したメールの数を初めて上回ったという。
セキュリティメールサービスベンダーのMessageLabsが米国時間1月29日に発表したところによれば、2007年1月において、93.3通に1通(1.07%)の電子メールが何らかのフィッシング詐欺を目的としたものであったという。これに対して、ウイルスに感染した電子メールは119.9通に1通(0.83%)であった。
フィッシング詐欺とウイルスによる攻撃の比率が逆転した原因の1つに、ウイルス攻撃がよりターゲットを絞ったものとなってきており、大流行に至らなくなっているということがある。MessageLabsによると、これには最近発生したトロイの木馬「Storm Worm」やワーム「Warezov」も含まれているという。
MessageLabsによれば、フィッシング詐欺はより巧妙になってきているという。オンライン取引に二要素認証を採用する企業や銀行が増えたことで、「中間者攻撃」を行う巧妙なフィッシングツールやウェブサイトが、まだ数は少ないとはいえ増加してきている。
二要素認証では多くの場合、パスワードに加えて、例えばキーホルダーにつけられるようになっている疑似乱数生成器で生成されたコードを入力する形式がとられている。これは、キーロガーを用いて情報を取得するという攻撃に対抗するために生み出されたものであり、パスワードは1度しか使用することができないようになっている。
中間者攻撃の例としては、ユーザーのセッションを実質的に乗っ取ることによってこの対策を無効化しようとするものがある。この場合、ユーザーは、悪用されたマシン上に構築された偽のウェブサイトに誘導されることになる。
偽造サイトで入力された口座番号やパスワードなどの情報は、銀行の本物のウェブサイトへ中継される。そして、悪用されたマシンを中継してユーザーが本物のシステムで認証してしまうと、攻撃者はリレー経由でユーザーのセッションを切断し、自らがセッションを引き継ぐ手口になっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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