「YouTubeは、映像共有サービスで唯一利益を出している企業かもしれない」と、同社の財務に携わってきた2人の幹部は語る。2人によれば、YouTubeは、最近の四半期のうち少なくとも1期で比較的小幅ではあるが利益を出したという。
「当社は、いまだに金を稼ぐ方法を模索している」と語るのは、Veoh NetworksのCEO、Dmitry Shapiro氏だ。「広告が有効だということは分かっている。だが、映像すべてに広告を付けるべきか、あるいは1つおきでいいのかを決めかねているし、広告を流すのは映像の前がいいのかそれとも後かということにも迷っている。確実に分かっているのは、利益はいずれ上がるということだけだ」(同氏)
他の競合企業は、YouTubeの成功を受けて、この数週間自社のウェブサイトを徹底的に見直したり、ビジネスモデルを変更したりといった動きを見せている。
Walt Disney Companyの元会長Michael Eisner氏やTime Warnerも資金を提供しているVeoh Networksは、最近、映像制作者が料金を請求するためのサポートを開始したと発表した。また、ユーザーの時間と手間を省くため、YouTubeを含む複数の代表的な映像共有サイトに、Veohサイトから投稿できるようにしているという。
YouTubeのライバル企業たちは、この分野がYouTubeにしっかりと掌握されてしまっていることを認めながらも、その支配が必ずしも長く続くとは思わないと言う。例えば、Luckett氏は、未検閲映像の投稿によって生じるYouTubeの著作権侵害問題に、Googleが巻き込まれる可能性を指摘した。
このシナリオについて、YouTubeの広報担当者はコメントを拒否した。
映像共有サイト各社がYouTubeのやり方に追随しないとすれば、彼らはどこに向かうつもりだろうか。
Luckett氏とMaigret氏は、オンライン映像の事業を続ける予定だが、まだ詳細を議論する段階ではないという。両氏は、YouTubeから1つの重要な教訓を学んだと語る。それは、一般ユーザーはプロフェッショナルが作った映像をインターネット上で見られることを望んでいる、ということだ。YouTubeの人気は、NBCの「Saturday Night Live」のようなテレビ番組をはじめとする著作物の映像が作り上げてきた面がある、とLuckett氏は断言する。テレビや映画の制作側は、今後権利の強化を要求するようになるだろう。将来Luckett氏が取り組もうとしていることは、その手助けだという。
「一般ユーザーは今後、質を重視する方向に動くだろう」とLuckett氏は話す。「ユーザー生成による映像共有サイトに掲載されている素人作品と同じようなコンテンツが、『America's Funniest Home Videos』で放映されている。この番組は、これまでずっと、最も多くの人々に視聴されている番組の1つだった。だが、かなり面白い『番組』ではあるものの、『産業』とは言えない状態だ。人々が欲しがるコンテンツはハリウッドのスタジオにある。ビジネスモデルは彼らの主導で作るべきだと思う」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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