Seagate Technologyで、外付けドライブを含むブランド製品ラインを担当するエグゼクティブバイスプレジデント、Jon van Bronkhorst氏は「基本的に、eSATAはわれわれがすでにPCの中で使用しているインターフェースを外付け機器向けに拡張したものだ」と説明する。
現在のところ、外付けドライブはUSBまたはFireWire接続を用いてデータを転送するものが多い。USB接続のデータ転送速度は理論上は最大480Mbps、FireWireは400Mbpsまたは800Mbpsだ。これに対し、eSATAの転送速度は最大で3Gbpsとなっている。
iSuppliのChander氏は、外付けドライブの市場はPCに比べて小さいと前置きしつつ、伸び率ではPC市場を上回っていると指摘する。iSuppliは、外付けドライブの出荷台数が、2006年の約220万台から2007年には320万台まで増加すると予測している。いっぽう、ノートPCを含むPCの出荷台数は、2億3200万台から2億5500万台へ増加するにとどまる見込みだ。
Seagateのほか、Iomega、LaCieなどがすでにeSATA対応のドライブを販売している。しかし、こうしたドライブを使用するには、通常はPCの内部にPCIカードを追加してeSATAポートを新たに設けなくてはいけない。PCIカードはドライブ自体に付属することも多いが、こうしたカードの増設作業がeSATA導入の大きなネックになっていることは、業界内の誰もが認めるところだ。
van Bronkhorst氏は次のように話す。「マシンに性能を求める人なら、普通はPCのケースを開けてカードを追加することもいとわない。しかし、一般の消費者はこうした手間を好ましく思わないし、作業そのものができないこともある。われわれとしては、ケースを開けられる層(のみ)に製品を売るつもりはない」
SATAポートはすでにPCの内部インターフェースとして一般的になっている。iSuppliによれば、まさに今四半期からSATAインターフェースのHDDがPATAのHDDを出荷数で上回り始める見込みで、ゆえに今ではマシン側もSATAへの対応が必須になったという。これに対し、eSATAポートがビルトインされたマザーボードは、今のところハイエンドの数機種に限られているとのことだ。
コンピュータメーカーにとって、eSATAポートの追加は以前より容易になっている。たとえば、IntelはメーカーがeSATAをより広範なモデルに採用できるよう対応を進めている。同社の「サウスブリッジ」チップ、「ICH8」は、6基のSATAチャネルを備える。サウスブリッジとは、プロセッサをコンピュータの他のパーツとを接続するのに不可欠な主要コンポーネントの1つだ。
従って、ICH8を使えば、PCメーカーは内蔵HDD2基、eSATAポート2基およびSATA対応の光学ドライブ2基を搭載できる。IntelのBradford氏によると、2006年に入ってICH8をリリースした同社は、今後新たに発表されるチップセットについても、すべてeSATAをサポートする計画だという(CD、DVD、Blu-ray Disc、HD-DVDといった各種規格に対応する光学ドライブのインターフェースについても、パラレルからシリアルへの移行がちょうど始まったところだ。サムスン電子は2006年12月、SATAを採用した18倍速のDVDドライブを発表した)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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