MITの学生らは、もはや、キャンパス内での互いの行動を把握するために授業の時間割を共有する必要はない。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のSenseable City Labは米国時間12月13日、大学キャンパス内にいる友人の行動を把握できる新プログラムのベータ版をリリースした。このプログラムは、地図上にキャンパス内にいる友人の行動をリアルタイムでプロット表示することができる。
iFINDと呼ばれるこのソフトウェアは、一見したところよくあるインスタントメッセージング(IM)プログラムのように見える。しかし、このiFINDの友達リストは、友達がMITキャンパス内のどこにいるかをリアルタイムで地図に表示する機能を備えている。この地図には、Wi-Fiを介してMITのネットワークにログオンしている人の位置がプロット表示され、さらにユーザーは友達ごとに異なる小さなアバターを作成できる。MITの目の前に流れるチャールズ川の土手で誰がくつろいでいるのか、また、図書館の自分の1階上には誰がいるのかが一目で分かる。
iFINDソフトウェアの設計者Francois Proulx氏は、Senseable City LabのディレクターCarlo Ratti氏の下で、友人の現在位置を追跡可能にする同アプリケーションの開発チームを組織した。Ratti氏は、携帯電話の信号を使って人々の行動や交通の流れを追跡し、それらをリアルタイムで地図化するプログラム「Real Time Rome」にも関与している。
「友達にマウスを重ねると、小さな波紋ができたりや星が点滅したりする。また、友達の名前とその人がいる建物や部屋の名前がポップアップ表示される。そこでマウスをダブルクリックすることで、その友達とチャットもできる」(Proulx氏)
iFINDでもIMアプリケーションと同様に、互いの友達リストに名前を追加するには招待状の交換が必要だ。ユーザーは、特定の友人またはグループ全体に対して自分の姿を一時的に不可視にすることもできる。また、誰かの名前を友達リストから完全に削除することも可能だ。
一方、IMプログラムとの違いは、iFINDのユーザーは友達から「見られる」ためにネットワークへ接続する必要が特にない点だ。iFINDは、MITが管理、運営するアクセスポイントに調整されているため、使用可能な無線カードを装備している全てのiFINDユーザーの「現在位置の把握」が可能だ。
iFINDはMITの学生の間で人気を呼びそうだ。Proulx氏によると、13日午後の時点で、5分毎におよそ5人がiFINDをダウンロードしていたという。しかも、それはiFINDの記事が学内新聞に掲載される前だった。
iFINDプログラムは、学生以外にも教職員や事務職員など、「mit.edu」のメールアドレスを持つ人なら誰でも利用可能だ。しかし、Proulx氏のグループは、全国の学校やグループネットワークで利用可能にするため、オープンソースのiFINDクライアントを「GNU General Public License(GPL)」の下でリリースする予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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