ウェブデザイナーおよびクリエーター向け市場をリードするAdobe Systemsに対抗するため、Microsoftがスイート製品の構築を進めている。
Microsoftはまず手始めに、ユーザーインターフェースデザイン用ツール「Expression Web」を米国時間12月4日にリリースした。同製品は、ウェブオーサリングツール「Microsoft FrontPage」の上位版にあたる。
Microsoftはさらに、Windows専用デザインソフトウェアの「Expression Blend」も公開ベータをダウンロードできるようにした。また、関連する3つ目の発表として、ロゴやアニメーションなどの各種ビジュアルエレメントを作成する「Expression Design」の初期バージョンも投入した。
これら3製品は、2007年第2四半期に出荷される「Expression Studio」セットに同梱される。そして、同スイートの4番目の製品として、Microsoftが2006年夏に買収したメディア資産カタログプログラム「iView MediaPro」のアップデート製品も用意される。
Adobe製品顧客の囲い込みを考えているMicrosoftのウェブデザイン市場におけるポジションは、この製品ラインアップにより大幅に強化される可能性があると、NPD GroupのアナリストChris Swenson氏は語っている。
「Adobeは非常に強力なライバルだ。グラフィックスデザイン関連の主なツールはすべて持っている。Microsoftとしては、(プログラミングツールの)Visual Studioを活用し、大胆な価格戦略に乗り出すことで立ち向かっていくことになる」とSwenson氏は語っている。
Expression Studioから最初に単体販売されるExpression Webは、Microsoft FrontPageからのアップグレード版が99ドル、フルバージョンが299ドルとなっている。Adobeの同等プログラムである「Dreamweaver」の価格は399ドル。
Expression Blendの正式版が一般販売されるときは、「Visual Studio Standard」込みで499ドルになると、Microsoftは語っている。同ソフトウェアは、これまで「Interactive Designer」あるいは「Sparkle」と呼ばれていた。
Expression Designは現在、初期バージョンであるコミュニティー技術プレビューとして提供されている。完成版登場時には単体販売はなくなり、599ドルのExpression Studioスイートの一部となる。
同スイートにはさらに、iView MediaProのアップグレード版である「Expression Media」も同梱される。同製品は、2007年第1四半期に299ドルで単体販売されると、Microsoftは語っている。
Microsoftは4日、ほかにも「Windows Presentation Foundation/Everywhere(WPF/E)」の初期コミュニティー技術プレビューを投入した。正式版は2007年前半に発売されるという。
AdobeのFlashプレーヤー同様、WPF/Eもダウンロードでの入手が可能で、動画やグラフィックスなどのメディアが含まれたウェブアプリケーションを実行できる。WPF/Eは、Microsoftの「Internet Explorer」、Mozillaの「Firefox」(WindowsとMac OSの両バージョン)、およびApple Computerの「Safari」の各ウェブブラウザに対応している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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