Microsoftは米国時間11月14日、悪質なコードを使った攻撃から企業のコンピュータを守る新製品「Microsoft Forefront Client Security」の公開ベータ版をリリースした。
Forefront Client Securityは、スパイウェア、ウイルス、rootkitなどの脅威からPCやサーバを保護する。また、同製品はCisco Systems、Symantec、McAfeeなどの各社ソフトウェアと競合することになる。同製品は2005年10月に発表され、早期ベータ版が数カ月前から一部のテスターに配布されている。
Microsoftのグループ製品マネージャーMargaret Dawson氏は、「Microsoftのセキュリティ製品市場参入を求める声は多い。アドオンセキュリティ製品の必要性を減らしていくことがMicrosoftの長期的ビジョンだが、このような流れを進めるには時間がかかる」と語っている。
Microsoftでは、同社がセキュリティ問題のソリューションであって、その根源ではないことを企業各社に納得させるべく、このような取り組みをまとめようとしている。同社は6月、企業向けセキュリティブランドの1つとして「Forefront」を公開した。消費者向けには、2006年はじめに「Windows Live OneCare」セキュリティサービスを立ち上げている。
Microsoftでは、Forefront Client SecurityがWindowsユーザーにとって最適なものだとして売り込んでいる。Dawson氏は、「顧客がMicrosoftに望んでいるのは、使い慣れたユーザーインターフェースを持ち、統合しやすく、導入しやすく、管理しやすい製品だ」と語っている。
さらに同社は、「Microsoft Forefront Security for Exchange Server」と「Microsoft Forefront Security for SharePoint」の新バージョンが、「Exchange 2007」と「SharePoint 2007」のリリースに合わせて12月に発売されることも同日に明らかにした。
ExchangeとSharePointに対応するこれらのセキュリティ製品は、両製品をウイルスやスパイウェアから保護するよう特化していて、スパムや不適切なコンテンツをフィルタリングする機能も備えている。これらの製品は、Microsoftが2005年2月にSybariを買収したことで誕生した。Microsoftはまず2006年夏に、旧Sybari製品に新しいForefrontブランドとして発表した。
Dawson氏は、「既に導入されているインフラのセキュリティを強化するため機能を追加していく。プラットフォームやアプリケーションに内蔵されたものより一段高いレベルのセキュリティが実現する」と語っている。
Microsoftは同日、「Intelligent Application Gateway(IAG)」用の「オプティマイザ」のアップデート版もリリースした。IAGは、2006年に買収したWhale Communicationsから取得したリモートアクセス製品。
今回アップデートされた「SharePoint Portal Optimizer」と新しい「Dynamics CRM Optimizer」は、カスタマイズされたポリシーベースのアクセス、コンテンツ検査機能を搭載し、「Microsoft Dynamics CRM 3.0」および「Microsoft SharePoint」へのセキュアリモートアクセスのパフォーマンスを改善していると、同社は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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