18カ月間に及ぶ喧伝の末、3社による次世代ビデオゲーム機を巡る戦争の幕がついに切って落とされる。
多くの人々がうんざりするほど長い期間、ビデオゲーム業界は、Microsoftの「Xbox 360」、ソニーの「PLAYSTATION 3(PS3)」、任天堂の「Wii」の新型ゲーム機3台のうち、どのゲーム機が勝利を収めるかを予想してきた。
Xbox 360は1年前に発売されて以来、次世代ビデオゲーム機では先行してきた。しかし、ついに次世代ビデオゲーム機を巡る熾烈な競争が始まる。PS3が11月11日に日本で発売され、さらに米国時間17日午前零時1分(東部標準時間)に北米で発売される。ソニーの幹部らは、すでに一部のゲーマーたちがPS3を購入しようと列をなしている、と誇らしげに語った。そして、その2日後の19日午前零時1分(東部標準時間)には任天堂のWiiが発売される。
果たして、どのゲーム機がトップの座に就くのか。これまで以上に素晴らしいゲーム機が出揃うため、多くの人々は、ゲーム機を巡る戦争の真の勝者は消費者だろうと考えている。しかし、一部の業界の専門家らは、今回もソニーがゲーム機の価格が高いながらも首位に立つと考えている。DFC Intelligenceのアナリストらは、向こう6〜8年間に販売されるゲーム機の販売台数は1億5000万台に達すると予想している。
調査会社Envisioneeringのプレジデント、Richard Doherty氏は、「2010年、つまり、この世代のゲーム機がライフサイクルの中盤を迎える頃には、ソニーが首位に立ち、任天堂とMicrosoftが2位争いをしているだろう」と語った。
しかし、ソニーが今後もゲーム機業界を支配し続けるとの予想を揺るがす大きな不安要素がある。PS3の最上位機の価格は599ドルであるが、プレミアム版Xbox 360の価格は399ドルであり、Wiiに至ってはわずか250ドルだ。つまり、ソニーは価格面での大きな不利を乗り越えなくてはならないのだ。
しかし、Doherty氏は、ソニーがこの不利を乗り越えられると見ている。同氏がそう予想するのにはいくつかの根拠がある。まず第1に、PS3は過去に販売されたすべてのPlayStation 2およびPlayStation用ソフトウェアに対応している。一方、Xbox 360も多くのXbox用ゲームに対応してはいるが、すべてのゲームに対応しているわけではない。
第2に、Microsoftは、仮にXbox 360用の外付けHD DVDドライブ(価格199ドル)に対する需要を満たせなければ、小売店のXbox 360離れを引き起こす可能性がある。Microsoftによると、外付けHD DVDドライブは当初11月中旬に発売予定だったが、すでに小売店に少しずつ出荷を始めており、来週あたりまで出荷を続けるという。
しかし、Microsoftは2005年秋にXboxの品不足で小売店を窮地に追いやった過去があり、今度また供給不足で混乱を招けば、小売店らの怒りが爆発する恐れもある、とDoherty氏は述べる。
「仮に十分なHD DVDプレーヤーが供給されなければ、小売店らは『こんなものいらない』と言い出すだろう」とDoherty氏は語る。無論、多くの人々は、ソニーもPS3で(Microsoftと)同様の供給問題を抱えることになるのではないかと懸念している。PS3は、高精細なBlu-ray Discプレーヤーを搭載している。
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