本機はBlu-rayディスク(以下、BD)ドライブと500GバイトHDDを搭載したパナソニックのBlu-rayレコーダーである。Blu-rayを使えば、デジタル放送をハイビジョン画質のまま、音声も5.1chサラウンドのまま録画が可能だ。一回限り録画のBD-Rと、書き換え可能なBD-REに対応し、いずれのメディアも1層(25Gバイト)のほか、2層ディスク(50Gバイト)をサポートする。放送ビットレートによって差が出るが、2層Blu-rayディスクに地上デジタルなら約6時間のTS(ストリーム)録画が可能だ。
ライバル機であるソニーのBlu-rayレコーダー「BDZ-V9」、「BDZ-V7」は、1層BDのみ対応、という点からすると本機は現状で最もBD対応が進んだモデルと言えるだろう。2層BDの値段の高さからすると、当面は1層BDが主流になると思われるが、長時間の番組を1枚にまとめて残したい場合など、ここぞという時に2層メディアが使えるのは便利だ。
同社は2004年にBlu-rayレコーダー「DIGA DMR-E700BD」を発売しているが、内容は大きく変更されている。DMR-E700BDではBD-RE Ver1.0(BD-FSフォーマット)が採用されていたが、本機の録画再生で中心となるのは新しい規格のUDF Ver2.5フォーマットで、従来のBD Ver1.0のケース入りメディアは再生のみ可能となっている。また、DMR-E700BDが、BD&DVDドライブのみのストレートレコーダーだったのに対して、今回の本機はHDDも搭載したハイブリッド機となっている。さらに本機は、映画などのパッケージメディアであるBDビデオ再生にも対応した世界初のBDレコーダーである。
このように、本機は新世代のBDに対応したモデルで、実質的にBDの本格スタートを切るレコーダーと言えるだろう。
本機は、3デジタルチューナーを2基+地上アナログチューナーを1基搭載したダブル録画機で、従来のデジタルダブルチューナー内蔵の「DIGA DMR-XW50」とほぼ同じ機能を受け継いでいる。リモコンやEPG、GUIなどもDMR-XW50から継承されている。
BDの本格普及を見据えたコンセプトは、まずそのフォルムから判る。一般的なDVDレコーダーと同じ親しみやすいサイズとデザインは、いかにも“DIGA量産モデル”らしい。価格からすると、もう少し高級感が欲しい気もするが、親しみやすいユニバーサルデザインというポリシーは明快で、パナソニックの家電らしさが、1990年代のVHSデッキからDVDレコーダーへ、そして本機へと受け継がれている。
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