デジタル映像の記録に採用されているMPEG-2には、PSとTS(本機ではDRモードと呼ばれる)という2つの規格があり、デジタル放送をストレートに録画する現状のBDはTS録画のみに対応している。これに対して、従来のDVDはPS(VR)録画になる。こうしたフォーマットの違いをどう処理しているか? がBDレコーダーの1つのチェックポイントになるだろう。
本機では、デジタル放送用のDRモード録画のほか、従来のDVDレコーダーと同じVRモードのPS録画(XP/SP/LP/EPモード)が設けられている。デジタル放送の録画ではDRモードとVRモード両方が選べるが、アナログ放送やアナログスカパー!の外部入力録画ではDR録画は選べず、VR録画のみ選べるしくみだ。
使いこなしとしては「デジタル放送はDR録画してBDにムーブ、それ以外のアナログ放送などはVR録画してDVDに保存する」と良いだろう。VR録画タイトルは、今までのDVDレコーダーと同じ要領でHDDからDVDに高速ダビングできる。その反面で、VR録画タイトルをBDへダビングしたい場合は、PSからTSへのトランスコード(変換)が必要になり、ダビングは等倍速になる。このため「アナログ放送やアナログスカパー!などもBDに保存したい」場合は時間がかかる。
特に「昔のVHSテープをBDにダビング保存したい」といった用途では、テープからHDDへのダビングに実時間、さらにHDDからBDへのダビングにも実時間が必要になる点に注意したい。
ソニーのBlu-rayレコーダーBDZ-V9/V7では、HDDへの録画はTS録画に統一されている。このため、アナログ放送や外部入力のBDダビングは容易になるが、その反面でDVDへのダビングにはトランスコードが必要になる、という本機とは逆の制限が出る。
こうした設計の差から、BDとDVDの共存を図るパナソニックと、BDへの統一を重視したソニーというコンセプトの違いが感じられる。BDとDVDを使い分けたい人には本機を、BDに統一したい人はソニー機がすすめられるだろう。
i.LINK(DV/TS)端子を装備し、BDレコーダーでTS入力に対応しているのも本機の特徴だ。D-VHS(コピーフリーのコンテンツのみ)やDVDレコーダーなどにストレージしたデジタル放送を、i.LINK経由で本機にダビング/ムーブ可能だ。気になるi.LINKムーブ入力の互換性だが、試作機の段階では同社のi.LINK搭載ハイビジョンレコーダーとセットトップボックスの動作を確認している。メーカー保証外にはなるが、製品版ではi.LINK関連機能がバージョンアップされ、アイ・オー・データ器機やシャープ、日立製作所などのi.LINK搭載レコーダーとの接続も可能になりそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス