Dellは米国時間11月1日、Advanced Micro Devices(AMD)製チップを初めて搭載したノートPCを自社サイトで販売し始めた。同社は今回の発売について正式な発表はしていない。
同社はこれまで、自社のノートPCにAMDの製品を搭載する計画を公にしてこなかった。しかし、Dellの戦略に詳しいある情報筋は、サーバやデスクトップにおいてAMDチップを採用したDellが、AMD製品を搭載したノートPCを発売するのは時間の問題だと述べていた。
本稿執筆時点において、DellのサイトではAMDチップを搭載したノートPC「Inspiron 1501」 が3モデル売られている。しかし、本件に関するプレスリリースは出されていない。また関係者にコメントを求めても回答は得られなかった。
Inspiron 1501ノートPCは、15.4インチのワイド画面を搭載する。Dellのサイトに掲載されているモデルのうちの2つは、シングルコアの新製品「AMD Turion 64 Mobile Technology MK-36」が搭載されている。
オプションを選択すれば、50ドルもしくは100ドルの追加費用で(価格はクロックスピードによって異なる)、より処理能力の高いデュアルコア製品「Turion 64 X2」デュアルコアプロセッサにアップグレードできる。MK-36プロセッサ搭載モデルは価格が704ドルからとなっている。3つ目のモデルは、AMDの「Mobile AMD Sempron」を搭載する。基本価格は549ドル。
サイトにはこれらノートPCの出荷日が11月30日と書かれている。ノートPC向けプロセッサの市場ではAMDが大きくマーケットシェアを伸ばしており、Dellの今回の製品発売がAMDの出荷数増加に貢献したものと思われる。AMDは現在、より効率的な製造技術に完全移行する前に、Dellとの提携などにより、出荷数が増加するという状況に陥っている。Dellが今回発売したノートPCが11月30日まで出荷されない原因はAMDの製品不足にあると思われる。
DellとAMDの両社は2006年になって、AMDプロセッサを搭載したサーバをDellから出荷する計画を発表した。両社の提携は、数年前からうわさされていたものの、両社はメディアからの質問をあいまいな言葉でかわし、見ている方をやきもきさせてきた。提携発表後、DellはAMDプロセッサ搭載のデスクトップPC「Dimension」シリーズも発売している。
今夏に「Core 2 Duo」が発売されるまで、AMDは競合Intelに対し、サーバおよびデスクトップPCの2つのカテゴリーでパフォーマンス上の優位性を誇っていた。その一方で、ノートPC向けプロセッサの市場は常にIntelに牛耳られている。AMDは、現行の自社製チップをノートPC用としてさらに最適化するには設計変更が必要であることを認めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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