Amazon.comが、Googleから要請されていた、書籍検索ツールの情報提供を拒否した。Googleは、著作権侵害訴訟でAmazonから提供された情報を利用する予定だった。
Googleは、書籍検索およびインデックス化の両機能に関する情報開示を求める召喚状を裁判所から発行してもらい、Amazonに送付していた。だが、Amazonは米国時間10月20日、この召喚状に対し、不服の申し立てをした。同社は、シアトルの連邦地方裁判所に提出した申し立てのなかで、要請された情報は「機密性が高いプロプライエタリな情報であり、企業秘密に属する」と述べている。
Amazonはまた、開示を要求されている情報は「範囲が過度に広く」、これに対応するには「膨大な量の資料」を用意しなければならないなど、「過度な負担を強いられる」とも抗議した。
AmazonはGoogleに対し、Amazonが書籍検索に用いる手法について公開された情報が見られるウェブページの一覧を紹介した。ここには、「Search Inside the Book/How It Works(書籍の内容検索/その仕組み)」と題されたページや、「Amazon.com Works with Publishers to Make Millions of Book Pages Available for Customers to Flip Through(Amazon.com、出版社と協力して何百万冊もの書籍の中身を参照可能に)」といったタイトルのニュースリリースがある。
Googleは米作家協会(Authors Guild)に起こされた訴訟のなかで、これらの召喚状の発行を裁判所に求めた。米作家協会は出版社や著者で組織されている業界団体で、McGraw-Hill、Pearson Education、Penguin Group、Simon and Schuster、John Wiley & Sonsなどが参加する。Googleは、MicrosoftとYahooにも召喚状を送付しているが、召喚状に最初に反応したのはAmazonだった。
Googleは、Google Book SearchにおけるLibrary Projectの一環として、著作権による保護を受けているか否かに関わらず、あらゆる書籍を読み込んでインデックス化することにしている。同社は、自分の販売する書籍をGoogle Book Searchでスキャンされたくないという出版社に対し、スキャン拒否の手続きを取るよう求めている 。
2005年9月に提訴した米作家協会は、著作権で保護された情報の扱い方についてGoogleに異を唱えている。同団体は訴訟を提起した際に声明で「損害賠償および被害拡大を防ぐための差止命令を求める」と述べていた。
一方のGoogleは、同プロジェクトでは著作権で保護された素材の場合、出版社の明確な許可がない限りは抜粋しか表示しないと述べ、 全文が公開されるのは著作権が切れた書物だけだとしている。
これは、本文を検索したり、書籍の抜粋を読むことのできるAmazonの「Search Inside」および「Look Inside the Book」と類似している。しかしAmazonは、プログラムに参加する意思を示した出版社の書籍のみを対象としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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