Dellの幹部によると、Microsoftの次世代OS「Vista」はまず家庭で利用され始め、その後、会社でも利用したいと願うユーザーの意向によって、企業への移行が進んでいくという。
同社の最高技術責任者(CTO)であるKevin Kettler氏は米国時間10月23日、企業顧客のVistaへの移行を「楽観視」していると述べた。同氏はCNET News.comの姉妹サイトSilicon.comに対し、「これはMicrosoftだけでなくDellにとっても重大な移行である」と語った。
Vistaには、現行のWindowsに比べ、企業にとっても一般ユーザーにとっても魅力的な大きな改良が加えられている。そのため、Dellでは、ユーザーのアップグレードに伴うハードウェア需要の急な高まりに備えていると、Dellの別の幹部は述べる。
Kettler氏によると、企業が歓迎するVista機能の1つは、ハードウェアに応じて異なるバージョンのOSを稼働することができるという点だ。例えば、企業は旧式のハードウェアにはリソースの少ない基本的なバージョンをインストールし、新しいハードウェアには高性能バージョンをインストールすることができる。
この機能により、Vistaは広く採用されるようになるとKettler氏は言う。「(古いものから新しいものまでさまざまなハードウェアが)混在した環境を持つ人々すべてに適用可能であるため、容易に普及するだろう」(Kettler氏)
Vistaのエンターテインメント機能を早く試してみたいと思う消費者も、企業における普及を後押しすることになると、Dell幹部らは述べる。家庭でVistaを愛用し始めた消費者が、自分の会社のIT部門に早く導入するように要求するからである。
DellのKettler氏は、一般ユーザーから企業へと技術が普及していくことが多いが、企業向け製品の技術が家庭へと逆方向に革新が進むこともあると述べた。
Kettler氏は、Dellではこのような「相互連携」に戦略的優先度を高く設定していると述べた。同社では、サーバ、デスクトップPC、ノートPC、テレビなど異なる製品を担当する技術者が定期的にミーティングを開き、それぞれが開発する技術を互いに利用することができるかどうかを議論するようにしているという。
「技術がコンシューマーから企業、企業からコンシューマーへの両方向に流れるようにしている」とKettler氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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