Web 2.0の挑戦者:セマンティックウェブブラウザを目指すblueorganizer - (page 2)

文:Emily Chang 翻訳校正:吉井美有2006年10月24日 08時00分

あなたの設計哲学は何ですか。

 最も重要なことは、予期できない要素を減らすことです。アプリケーションを一貫性のあるものにしなければなりません。一貫性があれば、新しい手法やアイデアを導入しても利用者は理解してくれるし、便利さを分かってくれます。しかし、一貫性がなければ利用者はついてこないでしょう。それから、37signals流の「過ぎたるは及ばざるがごとし」という考え方があります。これを守るのは難しいこともありますが、なるべく守るようにしています。最後に、わたしは毎日使ってもらうためのデザインは、最初にインパクトを与えるデザインとは違うと考えています。利用者がツールを使おうとしないのであれば、おそらくその利用者にとってはそれが必要でないのか、何があっても使わないかのどちらかでしょう。ユーザーインターフェースは日常的な利用の観点から考える方がよいのです。

どのようなテクノロジを使用しているのですか。

 フロントエンドはJavaScriptとXULです。バックエンドでは、PHPと非常に小さいMySQLデータベースを使っています。ユーザのデータはAmazon S3で保存しています。また、開発にはAntを使っています。

ユーザーやコミュニティから最もリクエストの多い機能は何ですか。

 blueorganizerは高い拡張性を持っています。ユーザーから常に要望があるのは、新しいコレクションやアクションです。最近、ブログコレクションを加えてほしいという要望が多かったので、次のリリースではこれを提供する予定です。また、非常に多くの人からamazonのウィッシュリストと「リストマニア」リストを取り込む機能が欲しいという要望をもらっており、これも追加する予定です。最後に、自分たちのコレクションに対し複雑な検索を行える機能が欲しいというユーザーの要望にも応える予定です。次のリリースでは自動タグ機能も追加される予定で、利用者が手間をかけずにタグを利用できるようになります。

blueorganizerのユーザーは一部の地域に集中していますか、それとも広く分散していますか。

 現在は主に英語圏の国で使われており、ユーザーの大多数はアメリカからです。これは、他の言語のサポートをまだ行っていないことが主な理由です。他言語のサポートも計画しており、実際にblueorganizerの翻訳や他のサイトの追加のサポートなどをしてくれるという、いくつかの非英語圏のブログと接触しています。

半年後、あるいは2年後に、adaptiveblueはどうなっていると思いますか。

 向こう半年で行おうと思っていることの中で主なものは、マイクロフォーマットのサポートとより多くのウェブサービスの統合、共有機能と推薦機能の強化、RSSフィードの個人向けカスタマイズ、より多くの新しいコレクションとblueorganizer拡張ツールキットの提供などです。われわれはこのツールキットに注目しています。これによって、熱狂的なファンが、XMLファイルを設定するだけで新しいblueorganizerコレクションやアクション、サイト統合などを行うことができるようになります。

 2年後については、予測するのは困難です。これは単に、最近は物事が信じられないくらい速いペースで動いていくからです。われわれのゴールは賢いブラウジングと幅広い範囲のサービスと技術を包含する個人用に特化したプラットフォームを開発することです。blueorganizerはわれわれの最初の製品であり、他にも新しいものを作っていく予定です。

プロジェクトを成功させるのに最も難しいことは何ですか。

 現時点では、利用者の獲得です。今は、多くのことが進行しています。品質の善し悪しにかかわらずものすごい量と速度でニュースが流れているため、人々の注意を引くのが難しくなっています。われわれは幸運にも比較的よくプレスに紹介されていますが、そのニュースが流れた次の日にはトラフィックは元に戻ってしまいます。これは、よく知られているAlexaのTechCrunchスパイクのようなものです。このため、ユーザーを獲得するためには、継続的にPRに投資をする必要があります。

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