Microsoftは、競争上の問題を避けるために約束した「Windows Vista」への変更点について議論するため、セキュリティ企業とのミーティングを開催する予定だ。
Microsoftの代表者は米国時間10月18日遅く、同社はセキュリティ企業向けのオンラインミーティングを19日に予定していると、電子メールによる声明で発表した。同声明によると、このミーティングの目的はサードパーティー製セキュリティソフトウェアが64ビット版Windows Vistaの内部構造にアクセスできるようにするための方法を議論することであるという。
欧州委員会に指摘された独占禁止問題に対応するため、Microsoftは先週、サードパーティー製セキュリティソフトウェアが64ビット版Vistaのカーネルにアクセスしたり、「Windows Security Center」が発する警告を無効にしたりできるようにする予定であると発表した。両方とも、セキュリティ企業から要望が出ていたものだが、Microsoftは当初搭載することを拒否していた。
SymantecやMcAfeeなどの企業は、Microsoftが公正な競争を妨害しており、カーネル保護やWindows Security Centerにより、自社の製品に不公平な優位性を持たせていると訴えていた。
Microsoftは16日、Windows Security Centerの警告を出さないようにする方法をセキュリティ企業に提供した。しかし同社は、「PatchGuard」と呼ばれるカーネル保護機能についてはいまだ何も公開していない。
McAfee広報担当Siobhan MacDermott氏は17日、「PatchGuardに関してはMicrosoftから何の連絡も受けていない」と述べた。「われわれがユーザーに最善の保護機能を提供できるように、Microsoftに対しては、セキュリティベンダーにこのアクセス手段をできるだけ迅速に提供し、ぎりぎりまで引き伸ばすことのないよう強く主張したい」(MacDermott氏)
セキュリティ企業らによると、64ビット版Vistaでは、カーネル保護機能はハッカーの侵入を防ぐだけでなく、いくつかのセキュリティソフトウェアの実行も妨げてしまうという。セキュリティ企業はカーネルにアクセスする手段の提供を求めているが、Microsoftはその機能を提供すると、Windowsのセキュリティと安定性が低下する恐れがあると主張していた。Microsoftは現在では、そのアクセス手段を提供すると発表している。
Microsoftは、19日のミーティングで、Vistaのカーネルを操作する技術の開発計画について話し合うと述べた。関係者によると、APIが利用可能になるのは、(Vistaの)RTM(製造工程向けリリース)版が完成した後、つまりMicrosoftがPCメーカーやCD工場にVistaを出荷した後になるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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