ソニー製リチウムイオン電池問題で、東芝がソニーに損害賠償を請求する方向で検討に入ったと、大手経済紙が10月16日付の1面で報じた。
発火などソニー製電池の一部で不具合が生じたことから、対象電池を搭載するPCメーカー各社(一部は安全性を確認済みで対象外)は、ソニーと協力しながら自主回収・交換を行うと表明している。
上記の報道は、ソニーが負担する予定の電池交換や交換に伴う各種費用以外の販売機会損失などについても、補償を求める動きがメーカー側に出てきているとする内容。富士通も賠償請求の検討を始める見通しとしている。
これについて、10月16日午前の時点で東芝は「現時点では何も決まっていないが、さまざまな可能性を検討している」。富士通は「現状ではありえない」とコメントした。
他のメーカーについては、「そのような(賠償請求)対応をする予定は現時点はない」(デル)、「(賠償請求の)検討はしていない」(レノボ)、「検討はまだ。自主交換が最優先」(日立製作所)、「現段階では未定だが状況を確認している」(シャープ)とコメントしている。
一方、ソニーは「(東芝から)具体的な話をいただいていないのでコメントは差し控える」とした。
また、今回の報道についてあるメーカーの広報担当者は「販売実績が多少は落ちているが、それをソニー製電池の問題と断定するのは難しい。不買運動などが起これば因果関係を証明できるが、そうした動きもない」と指摘。別メーカーの広報担当者は「年末商戦が本格的に動き出さなければ、ソニー製電池問題がもたらす販売への影響は見えない」としている。
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