カリフォルニア州サンノゼ発--Sun Microsystemsと富士通は米国時間10月10日、両社が開発している2つの次世代チップの性能を大幅に引き上げることを明らかにした。
Sunの8コアプロセッサ「Niagara 2」と、富士通のデュアルコアプロセッサ「SPARC64 VI」の両プロセッサでは、SunのOS「Solaris」が動作する。だが、両チップは異なる市場をターゲットにしている。Niagara 2はJavaやウェブサーバソフトウェアが動作するローエンドサーバ向け。一方でSPARC64 VIは、複数のプロセッサを搭載し、大規模なデータベースなど数多くのタスクを処理するハイエンドサーバ向けだ。
当地で開催中のFall Microprocessor Forumで講演した関係者らは、初代Niagara(今の「UltraSPARC T1」)やシングルコアプロセッサ「SPARC64 V」の両先代チップからの大幅な性能向上を実現することを約束した。
富士通サーバシステム事業本部技師長、井上愛一郎氏によると、サーバ処理の大半を占める整数演算では、デュアルコアのSPARC64 VIが1チップあたりの性能でSPARC64 Vの2倍の性能を実現するという。一方、多くの数学計算で使われる浮動小数点演算では性能がSPARC64 Vの2.5倍に達する。
同チップは、420平方mmのチップ上に5億4000万個のトランジスタを集積し、クロック周波数は2.4GHz、消費電力は最大時120W、通常時80Wだと、井上氏は語っている。また、6Mバイトの高速キャッシュメモリも搭載しており、これを2つのコアで共有するという。
次世代プロセッサ「SPARC64 VII」も6Mバイトの共有キャッシュを搭載しているが、こちらは4コアとなっている。SPARC64 VIと同様、「スレッド」と呼ばれる命令シーケンスを各コアが2つ同時に処理できる。こちらのチップの大きさは460平方mmになるという。
SPARC64チップは、Sunと富士通による「Advanced Product Line(APL)」と呼ばれる共同事業の中核となっている。この共同事業から誕生するサーバは、当初の予想より遅れて2007年初頭の登場が予定されている。
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