産業技術総合研究所(産総研)は10月6日、試験材料の熱特性を2次元的に可視化できる装置を発表した。産総研では、「熱電変換材料のミクロ分析や材料探索研究に威力を発揮する」としている。
開発した装置は、サーマルプローブと呼ばれる熱探索針を用いた熱特性マッピング装置であり、試験材料の熱起電力と熱伝導率の2次元分布を可視化できる。実際の計測は、加熱したプローブで試験材料の表面を走査し、表面に接触したプローブ先端の電位変化や温度変化を測定して、試験材料表面の局所的なゼーベック係数(熱起電力に相当)を推定する。プローブの先端から試料内に流入する熱量も推定できるため、試験材料の熱伝導率分布の推定も行える。
この装置の特徴は、ゼーベック係数と熱伝導率を高速に推定できる演算アルゴリズムや、プローブとステージの駆動系の高速化にある。従来の測定器は、プローブ接触後に数秒から数10秒待つ必要があるため計測に時間がかかった。それに対し、この装置は1点当たりの計測時間が3秒以下で済み、8時間で1万点の計測が可能という。測定分解能は10ミクロン。
産総研は、10月7日から9日に京都大学で開催される第42回熱測定討論会において、この装置の詳細を発表する。
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