産業技術総合研究所(以下、産総研)はマイクロジェニックスと共同で、第8世代となるアザラシ型メンタルコミットロボット「パロ」を開発。パロに関わる知的財産権を知能システムにライセンスし、敬老の日である9月20日から高齢者向け福祉施設などにリースを開始した。
ロボット・セラピーを提唱する同社では1993年から「パロ」の研究開発を行っており、うつの改善や元気付けるといった心理的効果、ストレスを低減する生理的効果、会話を増加させる社会的効果などが実証されている。また、国内だけでなく海外の医療・研究施設でも効果を発揮しており、2002年2月には世界で最もセラピー効果があるロボットとしてギネス世界記録に認定された。
今回リースが開始される第8世代の「パロ」は体長57cm、体重は2.7kgで、タテゴトアザラシの赤ちゃんをイメージした愛くるしいフォルムを採用。1台1台手作りのため顔つきなどが異なるほか、新しい名前や飼い主の好みに応じた行動をとるといった学習機能も備えている。アレルギーや人畜感染症などの面でも、実際の動物を使ったアニマル・セラピーより幅広く利用されそうだ。
同社では今後「パロ」によるロボット・セラピーの痴呆防止や改善効果に関する研究を早期に実施、「介護予防」への貢献を目指すとともに、国内外の一般家庭に向けた普及の基盤を確立したいとしている。なお、個人向けの販売に関しては2005年初頭を予定しているそうだ。
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