バタラが開発をして、デザイナーが1人。そのほかに私と2名の計5名で毎週水曜にミーティングを開き、企画を詰めていきました。最初のサイト画面遷移やサイトの構成といった設計の大枠は私が作り、デザイナーに発注もしました。企画ミーティングも自分が主導する形で、工夫しながら開発していきました。
日米のサービスをベンチマークにしながらmixiのコンセプトを詰めていきました。他社のサービスでは、コミュニケーションの面で充実したものがありませんでした。Friendsterにも日記、コミュニティはなく、簡単な掲示板や人の推薦文機能がある程度です。mixiは身近な友人や知人とコミュニケーションできたり、自分にとって興味関心のあることについて情報交換ができたりするサービスを目指していました。そのコンセプトが日記、コミュニティ、足あと機能として実装されていったわけです。
招待制は手段で、目的ではありません。SNSは、人と人がつながっていく場です。いかにつながりやすくするかを考えた結果、招待制が良いと判断しました。
誰でも登録できるSNSには、入ってもすぐに使わなくなる人も多い。うまく知り合いを見つけることができなくて、いつまでも一人ぼっちという人もいます。それでは使っていても面白くないですよね。最初に親しい人から誘われて入れば、スムーズにサイトの中に入って来られます。親しい人が書いた日記を見に行ったり、サイトの使い方がわからなければ、誘われた友人に教えてもらったりすることもできます。そしてその友人を通じてほかの人ともつながっていける。つまり、アクティブに使ってもらうための招待制なのです。
インフラとなるようなサービスにしたいので、数百万〜1千万くらいのユーザー数を目指そうと思っていました。実際に始めるときには「百万人いけばいいかな」とも思ったのですが(笑)。しかし、メッセンジャーのユーザーと同等数は狙いたかったです。
友人同士、あるいは興味関心あることについての情報の交換がなされている度合いが高かったのだと思います。他社では日記機能がなかったり、コミュニティ機能も情報交換がメインというより自分の興味関心を示すためのラベルとして使われていたりしました。身近な人とコミュニケーションするとか、興味関心のあることについて情報交換をするというコンセプトを持っていたのはmixiだけでした。
友達とつながっていて、毎日何かやりたいことがある。例えば、ログインすると知り合いの誰が日記を更新していて、それにコメントを付けたり、自分の日記を更新すると誰かが見に来てくれてコメントをもらえたりする。そして興味のあるコミュニティでは新しい発言があり、発見がある。いつログインしても情報が入ってきて、リアクションがある。そこがユーザーのアクティブさにつながるし、招待数や会員数の多さにつながったんだと思います。
SNSはユーザーが増えれば増えるほど、価値は上がっていきます。その点ではオークションに似ています。オークションでは、商品を出す人が増えれば入札する人も増え、商品数も増えるという好循環が生まれやすいものです。SNSも、友人がより多く使っていれば、サービスを使う魅力は増えていきます。好循環が起きやすいサービスなのです。
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