日立製作所は9月12日、歩く人の間を縫って人込みの中を移動できるロボット技術「移動障害物回避技術」を開発、同社のロボット「EMIEW」に搭載し、複数の人とすれ違う動作確認に成功したと発表した。
「移動障害物回避技術」は、人がロボットとすれ違う場合に違和感を持たないように、ロボットの移動制御に人のすれ違う行動パターンを搭載。また、位置や速度など人の動きを検出、人の周りに一定の距離を持った円を想定し、この円にロボットが接するような最短距離の道筋を選ぶという方法で稼動させるようにした。
今回、この技術を「EMIEW」に搭載。実際に人とすれ違う動作をさせ、8mの経路の中で人の通常の歩行速度である最大秒速1.2m(時速約4.3km)で歩く4人の間を、ロボットが秒速0.8m(時速約2.9km)の速度で滑らかにすれ違うことを確認した。
「EMIEW」は、障害物の検出にレーザーを用いた距離センサーを使用。人の足までの距離を毎秒約40回測定することで人の位置と速度を正確に検出する。
また、「障害物の検出」「新たな道筋の作成」という手順を繰り返し実施しており、人が歩行途中で速度を変えたり、新たな人が現れたりする人込み状態にも対応できる。この手順の時間間隔は、人の歩行の1歩にかかる時間と同じ約0.5秒で、人の動きの変化に追随できる速さだという。
なお、この成果の一部には、筑波大学−日立連携事業実施協定の一環として推進している、坪内教授、油田教授らの研究グループと日立の共同研究の成果を活用した。
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