Matt Hardingさん(29歳)は、ゴールデンゲートブリッジ、ソーサスフレイの赤い砂丘、ナミビア、そしてイースター島の巨大人面岩など、世界有数の名所で踊る自分の映像を録画したばかりだった。
「Where the Hell is Matt?」と呼ばれるこの映像は、Hardingさん自身が39カ国でジグを踊るという感動的作品だが、編集作業のために未編集のビデオ素材に目を通した同氏は落胆した。
Hardingさんは、「コントラストが低すぎた。でも、友人にソニーの編集ソフト『VEGAS』の話を聞いた。素晴らしいツールだった。明るさは良かったので、コントラストを上げたところ、明るいオレンジだった砂丘が、実際の色である燃えるような赤に変化した」と語った。
家庭で撮影したビデオの仕上げにハリウッドのタッチを加えるツールが欲しい、というYouTube世代のメッセージが、家電製品や視覚効果のベンダー各社に届きつつある。彼らは、使いやすく、低価格で、見る人をあっと言わせる視覚効果を強く望んでいる。
Revver、Metacafe、そしてYouTubeにある素材の大半は、プロダクションバリューのない場合が一般的だ。たいていは、愛犬、赤ちゃん、恋人を撮影しているだけのものだ。しかし、YouTubeビデオグラファーStevie Ryanさんによると、自分の作品にユニークなビジュアルと技巧を採り入れようとする人が増えつつあるという。
Ryanさんはカリフォルニア州ロサンゼルス在住の失業中の女優だが、彼女の映像はYouTubeで最も多く閲覧され、話題になっている。Ryanさんは、イーストロサンジェルス在住のなまりの強いラテンアメリカ人女性「Lil' Loca」など、さまざまな人物を演じている。Paris Hilton、サイレント映画時代の美人歌手、ロックのプロモーションビデオに登場するグラマーな女性なども演じている。Ryanさんがこれらを成功させているのは、自身が採り入れたビジュアル的な要素に負う部分もある。
22歳のRyanさんは、「やるときは徹底的にやっている」と語っている。
Ryanさんは何時間もかけてウェブで映像効果ソフトウェアを探し回り、デジタルフォントに大金を惜しげもなく使ってきた。YouTubeで増えつつある本格的な映像制作者たちに負けないようにしなくてはと、Ryanさんは話す。彼らはますます洗練されたクリップを制作しているという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果