最近、Logitech製のウェブカメラの売上が伸びているらしい。少なくとも、Amazon.comでは。ことの発端は、ある17歳の少女が制作し、大きな注目を集めたビデオクリップにある。
「Breakup」というタイトルがつけられた75秒間のビデオクリップは、ユーザーが自分の制作したビデオクリップをアップロードできるサイト「YouTube.com」に1週間ほど前に掲載された。以来、そのビデオは21万ページビューを超えるアクセス数を記録している。ビデオの内容は、ビデオの作成者であるBowiechick(YouTubeでのユーザー名)さんが、つい最近、自分の身に起こったボーイフレンドとの別れについて語るだけという実にたわいないものだ。ただし、話をしている自称「ビデオブロガー」のBowiechickさんは、ビデオが進むにつれて次々と姿を変化させていく。スーパーマンのクラーク・ケントばりの眼鏡をかけていたかと思うと、ガスマスクをかぶっていたり、次の瞬間には猫に変化したりという風に。
Amazonの広報担当であるStephanie Mantello氏によれば、米国時間3月24日時点で、Logitechの2機種のウェブカメラが同社の電気製品売上トップ100にランクインされていたという。「Breakup」がYouTubeに最初に掲載されてから1週間がたった27日には、「Quickcam Pro 5000」を含むさらに2機種のLogitechのウェブカメラがトップ100にランクインされた。
同社のサイトで85.49ドルで販売されている「Quickcam Fusion」は、24日時点では95位にランクインされていたが、27日までには38位にまで急上昇した。また、Quickcam Pro 5000は、24日午後の時点では97位だったが、数時間後には67位にまでランクを上昇させている。
「もうこれで、宣伝活動は一切必要ないかもしれない」と、LogitechのコーポレートコミュニケーションズのディレクターであるNancy Morrison氏は冗談めかして言う。
Morrison氏によれば、Quickcam Pro 5000(Amazonでの販売価格は69.99ドル)およびFusionのどちらにも、Logitech製の「Visual Effects」というソフトウェアが添付されているという。このソフトウェアは、あらかじめ用意された人物素材やアニメ画像のなかから、ユーザーが自分で好きなものを選んで画面上の自分の容姿を変えることができるというものだ。「Breakup」のファンたちのBowiechickのビデオに対するコメントにも、そうした視覚効果についての問い合わせが多く含まれていた。
「Breakup」が果たしてどの程度カメラの売上に影響を及ぼしたのかは定かではないが、Amazonでは、今後その火付け役とも言うべきサイト、YouTubeで定期的に割引セールやプロモーションを実施していくという。
LogitechのMorrison氏によれば、「Breakup」がLogitechのウェブカメラの売上急増をもたらしたという決定的な証拠はまだ何もないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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