この国では、アイデアを一般大衆に伝える映像の力というものを、政治家、企業から聖職者に至るまで、よく理解している。彼らの多くが、ユーザー参加型サイトに宣伝や説教を投稿し始めている。
動画共有サイトに映像を掲載することでどのくらいの人たちにリーチできるのか、はっきりとしたことはまだ分かっていない。カリフォルニア州サンマテオに本拠を置く動画共有サイト最大手のYouTubeには、毎月1600万人以上の訪問者があり、1日1億本の映像が視聴されている。同社は最近、レバノンでの戦闘の様子をありのまま掲載したとして賞賛された。
こうした動画共有サイトは、あっという間に、どのような考えでも主張(宣伝)できる格好の演説台になりつつある。
YouTubeで「Iraq」という単語を検索してみると、戦争に関するおびただしい数のビデオクリップが見つかる。その中には、狙撃兵から、あるいは爆破装置を使って攻撃を受ける米兵が撮影されているものものある。あるクリップには、「Juba」または「Juma」として知られる狙撃兵によって米兵が狙撃される様子が映し出されている。こうしたクリップに、英語の字幕やナレーションが挿入されていることはほとんどない。
対照的に、「Iraq - The Truth?」と題する映像には戦闘場面はほとんど登場しない。ナレーターは英語で語り、背景には陰気なオーケストラ風の音楽が流れている。ナレーターはイラク国内の戦闘は不当であると主張する。さらには、米国が核攻撃を受けることを示唆するような脅しも含まれている。ナレーターは最後に、偉大なリーダーを創りあげる米国人の能力に賛辞を贈りながらも、Bush政権を暴力で転覆させることを暗示させて終わっている。
「かつて、John F. Kennedy、Benjamin Franklin、George Washingtonを輩出した国が、実質も威厳もある真のリーダーを生み出せないわけがない」とナレーターは語る。「(われわれにやられたくなければ)お前たち自身で事を運ぶよう忠告する」(同ナレーター)
イラク戦争を強く支持する人の心がこうした映像で変わることはまずないが、イラク戦争に疑念を抱いていたり、反対したりしている人たちが見れば、非常に強力なメッセージになり得る、とSnow氏は指摘する。
米兵らもイラク戦争の現状を撮影した映像を投稿し始めている。その内容は必ずしもペンタゴンを喜ばせるようなものではない。
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