訪問履歴を残さず、プライバシーを保護するブラウザが登場

文:David Meyer(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、福岡洋一2006年09月04日 22時15分
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 1990年代末に英国でインターネットサービスプロバイダー(ISP)のFreeserveを設立した、Ajaz Ahmed氏による新事業が発表された。それは、ユーザーのプライバシー保護機能を備えたWebブラウザの提供だという。

 Ahmed氏が考案した「Browzar」は無料のアプリケーションで、ダウンロード後はコンピュータやメモリスティックなどに保存して実行すればよい。インストール作業は不要だ。保存していなくても、いつでもサイトから簡単に実行できるという。

 インターネットであちこち見て回っても、どこを訪れたかがすぐにバレる痕跡を残さない方法はほかにもある。たとえば、たいていのブラウザは訪問したサイトの履歴をクリアし、キャッシュを空にする機能を提供している。しかし、技術に詳しくないネット利用者にとってはBrowzarを使うのが最も簡単だと、Ahmed氏は主張している。

 Ahmed氏は英国のZDNet UKに対し、現地時間8月31日に次のように語った。「自分が足跡を残しているとも気がつかないような、普通の人を対象にしている。私は小売業の経験があるので、顧客の立場で考えることができる。私はいつも、物事をごくごく簡単にしようと心がけている」

 Ahmed氏は、世界にはインターネットカフェを利用するユーザーが多数いることから、Browzarは世界中でファンを獲得するだろうと主張している。セキュリティ上、セッションごとに個人データを自動的に消去してくれるブラウザを使うほうが安心というだけでなく、ユーザーが検索した内容や訪問したサイトを他人に知られるだけでも問題だ、とAhmed氏は指摘する。

 仮に、痔の治療に関する情報を検索したとしたらどうだろう、とAhmed氏は言う。「1台のコンピュータを何人かで使っている人は多いが、そういう場合、決まりの悪い思いをする可能性がある」

 「当然、アンチスパイウェアソフトをインストールするなどして、ユーザー自身がセキュリティ管理をおろそかにしていなければ、(Browzarで保護できる)ということだ」と、Ahmed氏は付け加えた。

 従業員が頻繁にリモートからログオンしなければならない企業なら、Browzarは便利だろう。ノートPCやPDA、スマートホンが支給されない場合、従業員は機密事項の検索やWebメールシステムへのアクセスを、インターネットカフェから行う必要に迫られるかもしれない。

 Webを使った非合法な活動を人目につかないようにするのにも役立つのではという疑問について、Ahmed氏はその可能性を否定した。ユーザーの検索に関する情報はISPを通じて入手できるというのがその理由だ。また、配偶者や家族に自分が何をしているか知られないようにするツールを提供することは倫理的にみてどうか、と尋ねられたAhmed氏は、自分たちは「人々が利用するプラットフォームを提供するだけだ。人はいろいろな使い方をする」と述べた。

 Ahmed氏によるとBrowzarは、MicrosoftのInternet Explorer(IE)を利用するブラウザシェルで、IEがあって初めて機能するものだが、「何もないところから手をつけて書いたコードも多い」という。ただ、それがどういうコードかという説明はなかった。このアプローチはBrowzarにとって有利なもので、「IEがアップデートされるたびにBrowzarもその恩恵を受ける」と、Ahmed氏は主張している。

 いまのところベータ版が提供されているBrowzarは、264Kバイトとサイズが比較的小さいことから、今後のバージョンではアップデートではなく置き換えの形になりそうだ。Ahmed氏は将来の機能拡大を約束するとともに、さらに自社からほかの製品も登場することをほのめかした。

 Ahmed氏は31日、「(組み込みの)検索エンジン(Overtureが提供)のほか、今後発表する他の製品から売り上げを得る」と語った。

 FreeserveはWanadooに買収され、これによりAhmed氏は巨額の富を得た。Wanadooは最近になって名称が変更され、Orangeのブランドでサービスを提供している。Ahmed氏はほかにもベンチャー事業を行っており、2004年にはVoIP企業であるCallserve Communicationsの指導的立場に就いた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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