欧州連合(EU)で、これまで何かと物議を醸してきた「通信データ保持指令」が承認された。
現地時間2月22日、ブリュッセルのEU本部において、加盟国の司法大臣らが同指令を承認した。EUはこれまで、テロや組織犯罪と戦ううえで同指令が必要だと主張してきた。これにより、ISPや固定電話事業者、携帯電話事業者らは、顧客の通信記録を最大2年間保持する義務を負うことになる。
事業者は今後、通話日、通話先、通話時間などの情報を6〜24カ月間保存し、必要に応じて捜査当局に公開することを義務付けられる。ただし、通話や通信の具体的な内容は保存されない。情報の保持にかかる費用は各サービスプロバイダが負担する。
EU加盟国は2007年8月までにこの指令に従わなければならない。同指令は2004年にマドリードで列車爆破テロが起きたことを受けて、提案された。
一部の加盟国はデータの保持期間をもっと長くすべきだと主張していたが、プライバシー擁護団体は人権が脅かされるとして同指令を非難している。
Privacy Internationalをはじめとする人権擁護団体からなる、あるグループは先ごろ、EUに宛てた公開書簡で同指令を次のように批判した。
「同指令は、EU市民の自由に、取り返しのつかない大影響を及ぼすことになる。指令は欧州全域の消費者の権利に悪影響を及ぼすだけでなく、産業界の国際競争力を維持するうえで、先例のないくらい大きな障害となるだろう」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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