Microsoftは、毎年注目を集めるRSA Conferenceを、セキュリティに関するメッセージを内外に示すための価値ある場として利用してきた。そして今度はOracleが、それに追随する動きを見せている。
2007年2月に開催予定のRSA Conference 2007では、Oracleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Ellison氏が基調講演をする予定だと、同カンファレンスのゼネラルマネージャーSandra Toms LaPedis氏がCNET News.comに対して明らかにした。Oracleは22万ドルの資金を提供し、同イベントの「プラチナムスポンサー」9社の内の1社に加わるという。
Oracle広報担当者のLetty Ledbetter氏は米国時間8月30日、同社がRSA Conference 2007のプラチナムスポンサーになったことを正式に認めた。だが同氏は、Ellison氏の講演内容の詳細については明らかにしなかった。毎年開催されているRSA ConferenceでEllison氏が講演するのは今回が初めてだと、LaPedis氏は語っている。
Oracleが同カンファレンスを支援する背景には、自社のセキュリティに対する取り組みが厳しい目にさらされ続けているという事情がある。
GartnerのアナリストJohn Pescatore氏は、「Oracleはセキュリティ面の優位性を失った。これは復活をかけた取り組みの一環だと思う」と語っている。
Oracleは米中央情報局(Central Intelligence Agency:CIA)が同社の最初の顧客であったことを好んで引き合いに出し、自社製品を「無敵」だとして売り込んだ時期もあった。しかし、同社製品から次々に脆弱性が見つかり、研究者からもセキュリティの取り組み方に関する批判があったことで、同社のセキュリティに関する評判に傷が付いてしまった。
Pescatore氏によると、Oracleの取り組みはMicrosoftと比較されやすいという。同氏は、「攻撃を受け始めると、Microsoftはすぐに資金を投入し、講演も積極的にこなした」と語っている。Microsoft会長のBill Gates氏は2004年に初めてRSA Conferenceで基調講演を行い、その後は毎年欠かさず参加している。
LaPedis氏は、OracleがRSA Conferenceへ参加することは、同社がセキュリティや、業界におけるセキュリティの重要性について何か示そうとしていることの表れだと語っている。
同氏は、「Gates氏が初めて同カンファレンスで基調講演を行ったときは、セキュリティ分野におけるMicrosoftの意欲的な姿勢が見えた。Ellison氏の講演内容も興味深いものになるだろう」と語っている。Microsoftは、Gates氏が2007年の同会議に出席することをまだ正式に認めていないが、まだ先のことなのでこうした状況も珍しくないと、同氏は述べた。
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