塀の中のブロガーの戦い - (page 2)

文:Michelle Meyers(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2006年08月31日 08時00分

--すべてのブロガーはカリフォルニア州の取材源保護法に基づき、独立したジャーナリストとして保護されるべきだと思いますか。そうでないなら、保護すべきブロガーとそうでないブロガーをどう区別しますか。

 ジャーナリスティックな活動に従事している場合は保護するべきだと思います。私が公開したビデオは明らかにビデオジャーナリズムに属するものです。このビデオはジャーナリズムとして保護されるべきであり、その場合は私もジャーナリストとして保護されるべきです。もっと厳密な定義、つまりジャーナリストとしての実績が必要だというなら、私にはSanta Barbara Independent紙を皮切りに、数年間にわたってジャーナリストとして活動してきた実績があることを申し上げておきます。

--ブロガーかどうかではなく、取材の方法が重要だということですか。

 その通りです。Jeff Jarvis氏は、もしTony Soprano(ドラマ『ザ・ソプラノズ』に登場するマフィアのボス)がブログを始めたら、組織の仲間について証言しなくてもよくなるのかという疑問を投げかけています。もしSopranoがブログを立ち上げ、組織の人間への取材をもとに記事を書くようになったら、それはジャーナリズムかもしれません。もっとも、SopranoはHBOのドラマに登場する架空の人物ですから、何を言っても空論の域を出ないでしょう。

--あなたはこれまで主流メディアに対する不満を訴えてきました。職業ジャーナリスト協会(Society of Professional Journalists)やSan Francisco Chronicle紙があなたを擁護していることをやや皮肉だと感じますか。

 一口に主流メディアと言っても、私が批判し、懸念しているのは基本的にはテレビ媒体、特にFox系列のケーブルニュースと、「公正で公平(fair and balanced)」というFoxのスローガンです。私は客観的なメディアなど存在しないと思っています。この意味で、テレビ局が客観的なメディアを標榜するのは重大な欺まんだと思います。新聞の状況はもう少しましです。事実の報道に関しては、新聞にははるかに長い歴史がありますからね。それでも企業の先入観にしたがって、問題をセンセーショナルに報道している部分があることは否めません。それが企業メディアに対する私の批判です。私はジャーナリストを批判しているのではありません。何を伝え、何を伝えないのかを企業が決めるのは問題だと言っているのです。

 もしBill O'Reilly(Foxニュースの保守派キャスター)が来て、私を支持するコメントを発表したら、それは皮肉だと思います。

--実際、Judith Miller氏はそのようなコメントを発表しました。それを知った時、どう思いましたか。

 塀の外に私と同じことを経験し、かつて自分が置かれ、今は私が置かれている状況を人々に伝えることのできる支持者がいるのはとてもありがたいことだと思っています。

--いつまで抵抗を続けるつもりですか。

 現在は第9巡回区控訴裁判所が私に保釈と控訴を認めるかどうかの判断を待っているところです。その後のことは状況を見ながら考えます。

--この一件は今後にどんな影響を与えると思いますか。

 ジャーナリストに対する保護がそこなわれず、強化されることを期待しています。また、こうした状況での政府の行動に注目が集まることを期待しています。そして、おそらくはこれが最も重要なことですが、連邦大陪審制度に対する関心が高まることを期待しています。私はこの制度は違憲だと思います。連邦大陪審に出廷する際は弁護士をつけることができません。裁判官もいません。自分と検察官と12人の陪審員だけです。これはとてつもなく不公正で、しかも秘密主義的な制度ではないでしょうか。軍事裁判制度が大きな論争を巻き起こしていますが、連邦大陪審も似たようなものです。軍事裁判と違うのは、召喚されるのが敵性戦闘員ではなく、米国の市民だということです。

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