しかし、Groholski氏はNiagara IIに関する1つの大きな問題については明確に回答しなかった。つまり、複数のチップを搭載する構成でも動作するのかという点だ。マルチプロセッサへの対応は、シングルプロセッサのマシンでしか動作しない初代Niagaraからの大きな変化となる。
David Yen氏は、2006年5月にSunのストレージ部門担当エグゼクティブバイスプレジデントに就任する前は、「SPARC」プロセッサおよび「SPARC」搭載サーバの業務を統括していた人物だが、2005年のインタビューで、Sunが複数のNiagara IIプロセッサを搭載したサーバを計画していると語っていた。Yen氏によれば、チップを複数搭載することで「さらに多くの機能を組み込めるようになる。われわれは、Niagara IIのスケーラビリティを高めるべく取り組んでいる。これによって、複数のNiagara IIチップを搭載して、より大規模なシステムを構築できるようになる」と述べていた。
しかし、22日の発表で、Groholski氏は「今の段階の設計では、マルチプロセッサに対応できるようにはなっていない」と語った。
この発言はNiagaraモデルのマルチプロセッサ対応版を開発する余地を残したもので、Sunは23日の声明でその可能性について言及している。
Sunによれば、「現時点では、Niagara IIはマルチチップのコヒーレンスに対応していない」という。つまり、Niagara IIは、たとえば、キャッシュメモリに保存されたデータと同期を取るなどの方法で、他のチップと確実に連携して動作するメカニズムを持っていないということだ。「しかし、コヒーレンスのメカニズムを改良して、(マルチチップのコヒーレンスを)実現しようというのはよい考えだと思う」とSunは述べている。
初期バージョンのNiagara IIは、シングルプロセッサのサーバに焦点が絞られているようだ。「Hot ChipsでのSunの発表からみて、2007年リリース予定のローエンド向けサーバでは、64スレッドで十分だとSunは結論づけたようだ」と、Insight 64のアナリストNathan Brookwood氏は分析する。
実際、2007年後半に出荷されるシステムで64スレッドが実現すれば、AMDのプロセッサを4基搭載したサーバやIntelの4コアプロセッサを搭載したサーバの最高スレッド数の16より、はるかに高機能になるとBrookwood氏は指摘する。
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